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[告知]美学校にて「基礎教養シリーズ〜ゼロから聴きたいテクノロジーと音楽史〜」を開催します

2月25日(日)に神保町・美学校にて「基礎教養シリーズ〜ゼロから聴きたいテクノロジーと音楽史〜」を開催します。昨年頒布したZINE「音楽とテクノロジーをいかに語るか」をベースに、音楽とテクノロジーの関わりについて考える4時間(!)となっております。

自分からはイントロダクション的なトーク+テクノロジーにおける「脱植民地化」をテーマにしたトークの2本をお送りするほか、ゲストに東京藝大の松浦知也さんをお招きし、現代の音楽制作に欠かすことができないコンピューター/コンピューティングについてお話していただきます。

松浦さんのお仕事は公式ウェブサイトでうかがい知ることができますが、『クリティカルワード ポピュラー音楽』に「プログラミング」の項で執筆されているほか、ウェブでも公開されている博論「音楽土木工学を設計する——音楽プログラミング言語mimiumの開発を通じて」がかなり面白いのでおすすめです。

以下に開催概要と自分からの前口上を添えておきます。内容は上掲のウェブページとかわりありませんが……。

「基礎教養シリーズ〜ゼロから聴きたいテクノロジーと音楽史〜」開催概要

講 師:imdkm/ゲスト:松浦知也
日 程:2024年2月25日(日)
時 間:13:00〜17:00 ※延長の可能性あり
開 催:対面/オンライン
参加費:対面・・・1,650円(アーカイブ付き、税込み) ※先着25名
    オンライン・・・1,100円(アーカイブ付き、税込み)
    美学校在校生(オンライン)・・・550円(アーカイブ付き、税込み)
    アーカイブのみ・・・1,650円(税込み) ※2/27日より販売開始
会 場:美学校2F教室
    東京都千代田区神田神保町2-20-12 第二冨士ビル 2階
    https://goo.gl/maps/th8HqeciE7dRfDdK8
    ※会場まではビル内の階段を利用してご来場ください
主 催:美学校

参加はPeatixからお申し込みください。

言うまでもなく、音楽とテクノロジーは深い関係を持っています。音楽制作においても、流通においても、受容においても、テクノロジーは音楽という営み全体に浸透しきっています。とりわけ20世紀以降、録音芸術として著しく発展したポップ・ミュージックを考える上で、音楽とテクノロジーの関わりを考えることは非常に重要です。

なにより、テクノロジーは音楽への手段であるのと同じくらい、音楽を聴き、語る手がかりになります。どんな道具をつかって、どのように制作されているか? どんな技術的状況で、どのように受容されてきたのか? そんな問いを意識することで、音楽を聴いたり、解釈したり、語ったりする方法がより豊かになるはずです(文化的なコンテクストを知ったり、音楽理論による分析をするのと同じように)。この講座の目論見はまずもってこの点にあります。つまり、「聴き方」「語り方」の拡張です。

しかし、音楽をより深く知るための枠組みとしてテクノロジーを援用する際に、テクノロジーの側が抱える文化的なバイアスを無視することはできません。テクノロジーは音楽の可能性をひらくと同時に、クリエイティヴィティを制限することもままあります。そして、しばしばその可能性と限界は、社会的・政治的な条件とむすびついているのです。とすれば、音楽への理解を深めるのと同じくらい、テクノロジーに対しても理解を深めなければ、「音楽とテクノロジー」をめぐる語りは大きな盲点を抱え込むことになるでしょう。

この講座では、音楽とテクノロジーがどのような関係を築いてきたかを検証しながら、それがいかなる課題に直面しているかの問題提起もしたいと思っています。「音楽とテクノロジー」が主役ではありますが、このふたつを社会的・政治的なコンテクストへと開いていくことが本講座の裏テーマです。

先に「20世紀以降、録音芸術として著しく発展したポップ・ミュージックを考える上で、音楽とテクノロジーの関わりを考えることは非常に重要」だと書きましたが、単にその状況を「よりよく理解する」ために重要なのではなく、むしろ状況に批判的に介入するためにこそ、音楽とテクノロジーの関わりを改めて考えることが重要なのです。

あまりに広いテーマなので、今回の講座では、音楽制作の現場におけるテクノロジーに焦点をしぼりたいと思います。また、現在の音楽制作において欠かすことができないインフラとしてのコンピューティング/ソフトウェア開発に造詣が深い松浦知也さん(東京藝術大学)をゲストにお招きし、議論を深めたいと思います。

音楽制作にフォーカスする性格上、音楽を自分でつくっている人や、つくることに興味がある人に特に興味深く聞いていただける内容になるのではないかと思います。とはいえもちろん、音楽を聴くこと、音楽について語ることに関心がある人にも楽しんでいただけるはずです。

【オープン講座】「基礎教養シリーズ〜ゼロから聴きたいテクノロジーと音楽史〜」 | 美学校 (bigakko.jp)

カテゴリー: Japanese