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imdkm.com 投稿

2.9-10

2.9

 6時くらい起きる。雪が凄い。外真っ白。そして寒い。寒いよぅ寒いよぅと思いながらごはん食べる。
 東北芸工大で卒展やってるみたい。11日まで……スケジュール上、今日行かなければのがしてしまう。どうしようかと思ったが、思い立って芸工大に向かう。
 その前にお宝中古市場に行ってCDを売る。6枚くらい売って、6000円くらいになる。そもそも盤で買わないのと、にも関わらず買ってるくらいだから売るには惜しいCDしか手元にないのだが、なんらかの事情(人から貰ったとか、バージョン違いとか)でダブったものがいくつかあったので、売ることにした。へんに死蔵しているくらいなら中古屋にあったほうがいいのでは、と最近思ってるのも手伝って。
 さて芸工大。工芸にめちゃくちゃエモい作品がいくつかあって、よかった。工芸に宿るエモはヤバい。あと工芸コースの近藤七彩さんの家具が変な尖り方をしていてよかったし、卒展外でやっているオープンスタジオでのインスタレーションも、「ああ、こういう展開してく人なのか」って感じで面白かった。いろいろ見てってヤバい人がいるなと思ったら画廊跡地で昨年展示していた駒嶺ちひろさんだった。おもしろいなって思った作品はほかにも結構あったが割愛。企画構想やコミュニティデザイン、地域デザインあたりのやつ、さのかずやさんとかAmpsさんとかあたりに勝手に講評とかしてほしいなと無責任ながら思う。厳しい話にかなりなりそうな気もするが。ガチ感あるそこそこ若いプレイヤーが見たらどう思うんだろう。
 コミュニティデザインだったと思うが、性教育、とりわけ性的合意に関するワークショップをやって、その結果をグラフィカルにプレゼンテーションしている人がいて、これはいい意味で「使える」ものだなと思った。テーマもそうだけど、コミュニティやコミュニケーションの問題にデザインや建築からアプローチしていくと、なにかというとワークショップが大事みたいになってしまいがちだが、課題の設定と成果の可視化、さらにそこで得られた知見の普遍化(ほかの人がどう応用するか、いう話ですね)、までがきちんとまとまっていて、スマートだった。逸見はるかさん(渡邊享子ゼミ)というそうだ。
 15時ごろ家帰ってきて、遅い昼飯としてスーパーの弁当食べて、ちょっと寝る。次の原稿をまとめていかないと……。

2.10

 7時に起きる。きのうの夜は原稿を書き出して、うーん、この分量ならここまでいけるかどうかかな、みたいなあたりをつけて終わった。自分でももっと早くそういうことやっとけよと思う……。
 お昼はThe LASTTRAKSのTakachenCo.さんが天童通りかかるというので蕎麦を食べに行く。さっともりそばをすすって、ファミレスに移ってさらにいろいろ話す。カラオケバーシーン(などというものがある!)の話から近年のダンスミュージックやヒップホップのトレンド、それがアニクラ系の現場にどう影響しているのか……など、面白かった。近いうちにまた東北でなにかトークするかも。TakachenCo.さんはダンスミュージックにも通じているのはもちろんヒップホップもがっつり通っていて、そしてなによりポップスもがっつり追っている。LDHの話でも川谷絵音の話でも盛り上がった。さすがである。
 帰ってきたらタイミングよく雪が降り出した。窓の外の雪を眺めつつ、いや、低気圧なんで頭痛が……。ベッドに倒れ込む。でも仕事はしましたちょっと。がんばります……。

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2.7-8

2.7

 7時起き。寒い。
 夢で、トラセ+ぴょんさん(Twitterにはぴょんころもち+天さんとしたが、よく考えるところあずはいなかった、ナンスだった気がする)とスタッフを乗せた車を運転した。最初は天さんが運転していたがあまりにも運転が不安だったのでスタッフと協議して免許持ちとして運転を担当することになる。目的地は劇場かなにかで、時間がないからなる早で行かねばならないというのに、車はでかくて人はぱんぱんに乗ってるし、なぜか右側通行だから自分の運転もちょっと危なっかしい。めちゃくちゃなプレッシャーでとにかく劇場の駐車場までたどりつくことしか考えられない。ようやく駐車場にのりつけると、この車はいったん返さないといけない、このまますぐ返してから帰りの車を手配しないと……そんなことなんでおれが? と思って目が覚めた。
 SpotifyでNew Music なんたらを一応チェックして、北米やヨーロッパのポップスを聴いていると、こういうボーカルの録り方で空間の作り方はこうでシンセの音色はこういうので……と、質感(構成とかメロとかコードじゃなく)がかなり類型化されている感じがあって、やっぱつまらないなと思うことが多い。結局、サウンドでそこから逸脱してるものが耳につく。Billie Eilishが新鮮に思えたのも、ぱきっとした音で録ってリバーブかけつつ前にせり出させるメインストリーム的なボーカルのトリートメントとは逆行するような声の扱いが新鮮で、しかしYouTubeなどの現代的な聴覚文化全体から見ればきわめて馴染み深い、そのバランスがよかったのだと思う。
 お昼にチキンソテーを焼いて、バルサミコのソースをつくってかけて食べた。鶏むね肉をソテーにすると皮からすごい油が出るので、そこにチューブにんにくとバルサミコを適当に入れて塩コショウで味をととのえる。けっこうおいしい。

 ロンドンのデュオJockstrapのシングル。なんとWARPとサインしたそうな。コラージュ的なストレンジ・ポップをやっていて、2018年のEPとか面白くて好きだった。この曲も、ミュージカルナンバーのごときシアトリカルな構成のなか、延々と妙なギミックがサウンドに仕込まれるかんじ、とても好き。今後の活動が楽しみ!

 Takara Arakiさんのシングル、次々最高を更新している気がする。ヴォーカリゼーションもサウンドも凄い、イントロから引き込まれる。聞き取れないウィスパー、グリッチ的に配置されるスタッター、音のレイヤー、歌詞のダークさ。
 いまだに解禁前にプレス向けにまわってくる音源にどう向き合っていいかわからない。なんか、メーリングリストみたいなのに登録されているのか、定期的に届く。専用のプラットフォーム(流出防止の仕組みがある)でストリーミングするか、場合によっては320kbpsのmp3もしくはWAVがダウンロードできるようになっている。いや、聴きますが……。
 姫乃たまさんの日記にドミューににの日が(有料です)。aniotaさんがTwitterにあげてた、たまさんが妙なポーズをしている写真が使われていて笑う。あれよく見るとおれも変なポーズしている。
 夜、思い立って髪を刈る。刈ったのはいいが、体感温度がエグいくらい下がるので、明日はかぜひくかもしれない。あったかくして寝よう。

2.8

 6時くらい起きる。でも午前中はえんえん断続的に寝る。丸美屋の海苔わさびふりかけ、入手性高く味もよくいいなあと思う。お昼はまたチキンソテー。ソースを少し変えてはちみつを足した。こっちのほうがいいかもしれない。しばらく定番にしそう。
 いろんな思いが渦巻いて輪になって消えていった結果、温泉に行くことにした。けれど、こないだ温泉にもってく用のカミソリが壊れたのを思い出した。壊れたといっても、刃のカートリッジをとりつける本体側のツメの部分が折れただけで、それだけで数百円出すというのもしゃくだ。アロンアルファでかためて様子を見る。
 そんな作業をしていたら、こないだためしに加入してみたScribdの試用期間がおわって課金された旨通知があった。しくじった…… 結局使わなさそうだったんだ。
 温泉行く。温冷浴をしばしキメて、すっきりする。できれば毎日これやりたい。。。
 帰りに図書館に寄って、『2010s』と『「僕ら」の「女の子写真」からわたしたちのガーリーフォトへ』をリクエストしてくる。できれば所蔵してほしいが、他館からの取り寄せになるかもしれない。長いスパンで見れば地域の文化のリソースになるんだから図書館への所蔵リクエストはがんがんしておくべきだと思う。著者からしたら売れなくなるから困るのかもしれんけど……。借りて読んでも結局買うというのもままあるし。そうだ、そういえば拙著、寄贈しようかなあ。恥ずかしいけど。
 渡辺志保さんの番組「MUSIC GARAGE: ROOM 101」に辰巳JUNKさんが出演。映画「ハスラーズ」特集ということで語りまくる。めちゃくちゃ見たくなった! 「パラサイト」と「ハスラーズ」は観ようっと。

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2.6

 6時くらい起きる。でも二度寝。9時くらい起きてきて、鶏むね肉を焼きバゲットを割ってサブマリンにする。こういうのめんどうなのでだいたいカット野菜で済ます。最近ドレッシングとして適当にオイル(オリーヴでも米でもサラダ油でもなんでもあるもの、ただごまとかはキツいのではないか、どうかしら)とバルサミコと塩こしょうをふりかけて和えるようにしている。いろんな味のサラダを頻繁にとっかえひっかえ楽しむならできあいのドレッシングをいくつか用意するのがいいと思うけど、バルサミコひとつあればドレッシングにもソースにもできる、という汎用性をとってみる。でも使い切れるかなあ。まあまあするもんね値段。使いみちをいろいろ調べておくか……。
 昼、ばちばちに頭痛で寝込む。低気圧かなぁ? と思ったらそうでもないみたい(頭痛~る情報)。いや、逆に低気圧→高気圧への坂ができてたしそれもあるのかな。
 小手川正二郎 “「男性的」自己欺瞞とフェミニズム的「男らしさ」―男性性の現象学―”という論文を読む。とても平易に書かれていて、読みやすい。それでいて、男性がヘゲモニックな男性性をどのように内面化し行使しているのか、見て見ぬ振りしてしまっているのか、現象学の手法をとりながら「自己欺瞞」や「自己疎外」といったキーワードを交えて言語化されている。雑に言うと(本文ではかなり丁寧に言語化されている)、なんだかんだで既存の男性性がはかせてくれる下駄にていよくお世話になってしまっていたら、いくら意識だけ高くてもしょうがないのだ、みたいな、言ってみれば男性からすれば非常に居心地の悪い話をしたうえで、それでもなお「フェミニズム的」な「男らしさ」があるとしたらどうだろう? と話が進む。旧い男性性から降りるぞ、と決意するだけではなく、たとえばアファーマティブアクションに代表されるような、男性中心主義的な社会の変革へ向かう取り組みを支持していくべきだ、と。そうだ。

 beipanaさんがシェアしていた動画、ストリーミング時代におけるラウドネスの話。ピークノーマライゼーション(最大レベルを基準にノーマライズ)からラウドネスノーマライゼーション(ラウドネス=聴感上の音量感を基準にしたノーマライズ)の時代へ、というのはよく言われることだが、数値や図解、実演を交えてその変化を論じて、かつどのようにそこに対応しているかも話している。良い。
 天野龍太郎さんが解説するtiny pop。この概念は掴みどころがないようで、しかし批評的な意味はかなり明快である。「ローファイさや拙さ、未完成感、非商業性」と「商業主義的で工業的なポップソングの形式」の両立。アティチュードと形式の分離、というか。ただし、「ポップソングの形式」というのがなにを指すのかというのがやや問題だろう。
 tiny pop的なものの先駆として遡及的に初期ピチカートが挙げられるというのも納得できる話で、前も日記に書いたがピチカートはDX7のような安価な総合音源の登場によってアマチュアの個人でも宅録でポップス――アメリカの分業的体制によって量産されたような音楽――がつくれるようになった、そんな状況の申し子だからだ。もちろんピチカートはバンドであり、メジャーで制作するようになったわけだが……。
 SYNCHRONICITYに浦上想起出演! めでてー! 諭吉さんも出るんじゃん。いいな~。こうなったら岩壁におれが出てほしいアクト全員出てほしい、松木美定、浦上想起、諭吉佳作/men、MON/KU、長谷川白紙、Tohji、リョウコ2000、SNJO……。
 日付変わるくらいのタイミングに原稿を送付。徹夜かな~と思っていたので、よかった。分量の限界に逆に救われた……が、語り足りない気もする。いや、次の原稿の準備しないと。とりあえず、寝る。

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翻訳はムズい

 スティーヴ・アルビニ「音楽の問題」(1993)という記事を読む。アルビニが90年代に書いた文章の邦訳。べらぼうに面白いが、ところどころ訳に違和感がある。大筋を理解するのに差し障りはないものの、気になる。原文も読んでみた。

 たとえば第2節の2で「自尊心のあるエンジニアが自分たちを「プロデューサー」と呼んでいるのは、それが理由だ。」は原文では’That’s why few self-respecting engineers will allow themselves to be called “producers.”’で、「自尊心のあるエンジニアたちに自らを「プロデューサー」と呼ばせるような奴がほとんどいないのはそれが理由だ」である。心あるエンジニアなら自分を胡散臭い「プロデューサー」なんて呼ばせたりはしないよ、って話だ。

 その少しあとに出てくるエンジニアに必要なスキルの箇条書きで「所有している音楽スタイルの経験。明かな失敗作はいつできるのかを知るため。」というのは’Experience with the style of music at hand, to know when obvious blunders are occurring.’で、「手掛けている音楽のスタイルへの経験、明らかな失敗が起こっているときに気づくため」だ。

 さらに第3節の3段落目の冒頭「結果として」とあるのは’to that end’で、「その目標に向けて」だろう。目標とは、前段落で示される「メジャーと契約する」である。

 あと、微妙さの説明がむずいが、以下の部分も違和感がある。

 今やすべてのロックバンドは、音楽業界のマヌケを見抜けるほど物分かりが良いのである。時代遅れのギョーカイ用語を使って、誰も彼もを「ベイビー」と呼びながら早口で話す、恰幅のいい中年の元ヒップスターという、ポップカルチャーではよく知られた風刺画もあるくらいだ。 しかし「そんな」A&R担当とのミーティングの後、そのバンドはメンバー同士で、またその他の人々に対してこう言うのだ。「彼は全然レコード会社の人間っぽくないよ!俺らと同じだよ!」 そう、彼らは正しい。それが彼が雇われた理由の一つだ。」

https://shuwatanabe.com/voice/the-problem-with-music/

 原文を見ても、ここまでの話を考えても、この段落でアルビニが言いたいことは、「いまどきのバンドはうさんくさい業界人を信頼しないくらいには賢い。しかし、だからこそ自分らと似て若く話が通じるA&Rにはころっと騙されてしまう。業界もそれをわかっているからそういう若いA&Rを雇うようになった」ということだ。しかし、この訳のなかで「「そんな」A&R担当」と言われている対象はちょっとわかりづらい。具体的に言えば、直前の古臭い業界人像が「そんな」の指示対象ともとれてしまう。原文では「そんな」はダブルクォーテーション付きの”their”なので、「バンドは「自分たちの」と思ってるけれども……」みたいなニュアンスがある。「そんな」と言うよりは素直に「自分たち」としたほうがいいだろう。たとえばこうなる。

 いまやすべてのロックバンドは、音楽業界のクズを信用しない程度には賢明である。[クズの典型として、]ポピュラーカルチャーにはよく知られたこんなカリカチュアがある。かっぷくのよい、中年の元ヒップスターで、早口でまくしたてるように喋り、時代遅れのジャーゴンを使って誰も彼も「ベイビー」と呼ぶ奴だ。[対して、]バンドは「自分たち」のA&Rとミーティングを終えると、自分たちにこう言い聞かせ、まわりにも同じことを吹聴するだろう。「彼はレコード会社の人間っぽくない! 自分たちと同じみたいだ」彼らは多分正しい。それこそがそいつがレコード会社に雇われている理由なのだから。

 こうした誤訳(うーん、「誤り」というのは気が引けるのだがあえてこうしておく)が起こる理由もわかる。英語の表現をなるたけ崩さないよう、しかし日本語として成立させるのはけっこう特殊な技能で難しい。それに、特に報酬が発生するでもない私家版の翻訳である。このサイトの方は翻訳を仕事にされているそうなので、たとえば仕事ならばもっと詰めるのかもしれないが、個人ではとりあえず読めるくらいの文章でも公開するのは正しい。資料的価値のほうが優先するからだ。

 自分も邦訳のない文献をあたって引用するときに必要に迫られて訳すことがあるけれど、できれば避けたいな……と思ってしまう。自分は英語がそんなに上手くない(喋りはほぼだめ)から、めちゃくちゃ辞書ひいて、文法書をチェックして、ググって、なんとかする(この記事も辞書とGoogleさまさまである)。しかし、逆に言えば、丁寧に調べれば読めるし、時間をかければ多分そこそこ妥当な案は出せる。根性論みたいになるけれど、いまどきはKindleにも辞書機能はあるし、こんな便利なChrome拡張もあるから、思うほどめんどくさくはない。

1件のコメント

2.5

 6時くらい起きる。ヨーグルトが賞味期限切れそうになってたので、ミューズリーを食べる。もっさもっさもっさもっさ…… レーズン好きじゃないな~ってレーズン入ってないミューズリーを食べてたんだけど、もしかしておれが苦手だと思っていた風味はレーズンじゃなかったのかもしれんと思いはじめる。レーズン、お前のせいにしてごめんな。たしかにレーズンサンドとかラムレーズンは好きだからな……。
 2019年分の帳簿が姉から送られてきたので見る。まあ、こんなもんですよねぇ……。2020年、がんばりたいと思います……。担当編集から連載のプロットはよ送れとっとと始めんぞというメール(文面はとてもやわらかいが、内容とタイミングがそんな感じ)も来ていて「ひぇ~」と声にだす。声に。マジで。
 昼、なんでか、寝まくってしまった。なんでだ。マジで正午すぎてから16時くらいまで寝てたね。締め切りが近いんですが……。
 長島有里枝さんの記事。男性中心主義的な「女の子写真」言説を批判し、かわって「ガーリーフォト」の名を選び取って、第三波フェミニズムと結びつけつつ1990年代の女性写真家の活動をフェミニズムの実践と位置づけ直す。本、出たんだった。いつ読めるかな。図書館にリクエストしとこうかな。

 昨晩アップロードされた上田麗奈(aka しゃま)の新曲「あまい夢」、手掛けたのはORESAMAということで軽快なディスコグルーヴが満載だが主役をあくまで声におくためかウワモノがかなり控えめで上品、エレガント。声優らしい声の立ち方とシンガー的な上手さのバランスが良く、ときにウィスパーに寄せる歌唱もとても良い(「静寂が訪れる」でビートが消えてひそひそ声になるあたりとか……)。前作ではウィスパー寄りの声を中心に置いたMumかなんかかというエレクトロニカもあった(シングル「sleepland」 )が、それもよかった。今作でもあるかな。ティーザー見る限り多分あるんだよな。

 CERO新曲。クロスリズムや変拍子、拍子のモジュレーションが折り重なった前作から、ドラムのグルーヴはシンプルに快楽的になり、しかしゆるやかに流れるコードとヴォーカルをとりまくキーボードやブラスのリフ、そしてチャントがさらに重層的にグルーヴを編み込んでいく……といった感じで、良い。リズムもハーモニーもメロディも複数のレイヤーが重なっている感じ。ライヴでどうなるんだろう? これぱっと聴きのシンプルさに比してライヴですごいグルーヴするんじゃないかな。

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2.4

 5時起き。Ozone 8 Elements、昨年の秋とか? 夏か? 無料配布してたのをゲットはしてたんだけど、インストールするの忘れてた。のでインストールして使ってみる。「わぁ!」みたいなのはあんまない。ただストリーミング向けのラウドネス目標にあわせて調整してくれるのは目安としていいなぁ。
 Twitterってコミュニケーションのプラットフォームだ、あるいは言論の、運動のプラットフォームだ、みたいな受け取られ方をけっこうしていると思うが、本質的にはマーケティングっていうか、広告のためのプラットフォームだよね。Twitterが「広告無しの有料プラン」みたいなんを絶対やらない理由はそこにある。商売相手は広告主であって個々のユーザーではない。邪推だ、ビジネス的にこれが理にかなってるかわかんないけど、広告主はヘヴィユーザーほどリーチしたい(バズの源だから)一方、仮に有料プランをつくったらヘヴィユーザーほどそっちに流れる。すると広告主のうまみもなくなる。みたいなね。ま、結局広告じゃん、みたなのって、テレビとか新聞、雑誌も似たようなもんだろうけど、マーケティング的行動原理の内面化がいいね/RT数やエンゲージメントの数値によって苛烈に進んだ、その罪は大きい。
 TuneCoreで配信してみたいな~って思って昔の曲をミックスしなおしているが、ためしに曲に使っていたブレイクビーツをSpliceで探した似たものに差し替えようとしたり、変なことに手を出して泥沼に。
 昼過ぎ、山形市内まで行く用事があるのでがんばって外出。気合をいれるために温泉に寄る。温冷浴をやって、ビンビンです。冴えました。
 まず山形県立図書館、リニューアルオープン後初めて行った。前までよくわからない(失礼)ロビーだった空間に雑誌・新聞コーナーが移設されて、開架全体が広くなっていた。あとすぐ隣に駐車場が新しくできてた。前まで数百メーターほど離れた県営駐車場使ってたから地味にうれしい。
 八文字屋本店に寄って、目当てのものがないので早めにきりあげ、ミサワクラスに置きっぱなしにしていた荷物をとりに行き(遠藤さんにお貸ししていた寝袋)、帰宅。

 070 Shakeのアルバム、聴こう聴こうと思いつつしっかり聴けてなかったんだけど、めちゃくちゃいい。ヒップホップ……なのか? ビートのセンスもいい、メロディアスになるでも、トラップっぽくおさまるでも、画もラップになるでもなく、ジャケのイメージも納得のレトロフューチャー観。しかし安直にSF的ギミックでおすのではなく、ややsynthwaveっぽい音のテクスチャ―やコードを白玉でべーっと鳴らす感じ、刻みすぎずにスクウェアに進んでいくリズム、謎のギターソロなどでうまくレトロ感を取り入れつつ、総合的にはちゃんと今っぽい。歌詞はまだちゃんと読んでませんが、「あ、この曲いいな」って思ったら曲名が”Divorce”でなんなんだこのひと、と思った。

 Kitri、結構好きなんだけど、これ車に乗ってるときにSpotifyから流れてきてあーやっぱすげーいいと思った。ピアノの演奏がポップスっぽくない、クラシックか唱歌かみたいな(あほの感想)。そこがよい。

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2.3

 7時くらいに起きる。夢で、元SMAPの面々が同じ十字路でニアミスする(互いに認識はしない程度のぎりのすれ違い)のを見てひやひやしていた記憶がある。あれなんなんだ。

 これ電算機さんとこで知ったけど、ダイキンがこんな案件をやっているのか。ベトナムのダンスコレクティブとダンスでコラボ。コレオも撮影も委託しているらしい。ダイキンといえば、文化振興事業をやっている。「ダイキン工業現代美術振興財団」っていうのがあるのよね。まー企業広告案件だからどのくらいそれと関係あるのかわからないけど、文化振興に積極的な社風ではあるのかしら。
 Jasmine InfinitiのFACT mix、好きだ~。ジャージー、ボールルーム、ハードミニマル、ガバをダークめの感じでまとめて繋いでいく。ハードミニマルは良い。
 GEZAN『狂(KLUE)』聴く。まず一周だけ…… 一定のやや遅めのBPMでずん、ずんと刻まれるグルーヴ自体良く、そこから倍/ハーフの行き来、リズムパターンの変化によるスピード感の変調などを駆使する部分にやはりぐっとくる。レベル・ミュージック的側面については割愛(しかしFREE REFUGEESはすごいね)。3時間くらい延々このノリでやるようなライヴとか見たいっすね。無茶振りですが……。
 昔の曲のプロジェクトファイルをいじっていると、とっくの昔に使わなくなったVSTやVSTiがたくさん使われていて、また探し直さないといけないみたいなのがけっこうある。それがドラム音源だったりする場合、手持ちのサンプルに差し替えたほうがだいたいよくなる。しかしシンセ系だと、VSTiがみつかんなかったばあい、音作りからしなおして…みたいなのが。。。きつい。。。そっちのほうがよくなる可能性は俄然高いけど。MIDIコンについてきたバンドルのVSTiがあって、URLもシリアルももうわかんないよ。。。と頭を抱えていたら、ちょうどそのプラグインが1000円くらいで安売りされていたので、さっくり買った。自分が鳴らすぶんにはまあまあな音なので(さすがに数万円するプラグインほどよくはないが、プレイヤーではないからめちゃくちゃこだわりがあるわけじゃない)また使いだすかも。

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2.2

 夜中に何度か起きたから、何時に起きたか忘れちゃった。Gang of FourのAndy Gill逝去の報。まだ60代。新譜出したりライブしたり、活動してたのになあ。
 またシュクメルリをつくる。また乳脂肪分かタンパク質か、が凝固してしまう。濃いめの牛乳(スーパーで一番濃そうなのを買ってきた)が悪いのかチーズの入れすぎなのか。舌触りが違うのであんまりよろしくない。味はいい。
 『かわいいウルフ』以降活躍のつづく小澤みゆきさんと原稿のやり取りをして、送った10分後には仮の割付で組まれた参考画像が返ってきて、すげー仕事のテンポだと思った。個人や小さいチームでまわしていく強み、でもあるが、といって個人でやってるからってこういうテンポで進んだことそんなないからなあ。学生時代にフリーペーパーつくってたときは、原稿書いたそばから流し込んでもらう…みたいなのあったけど。あれを思い出す……。
 先日の田島ハルコワンマン、TLに流れてくる感想や動画がよすぎて、やっぱ観たかったよな…と思いつつ、実はハルコとフランシスがいっちゃん観てみたい気持ちがある。

 かっこいい。田島さんのベアテ・バルテルみが良い(ディレイいじってるところはロマン優光みたいでもある)。
 小袋成彬の『Piercing』を評価するときにFrank OceanとかSolangeを引き合いに出すのは、まあ影響もあるだろうし(そこにTylerも含めていいが)まっとうかなと思うけど、かれがいまロンドンにいてロンドンの音楽にたくさん触れていたり、ローファイヒップホップに関心を示したりしていることがややおいてかれがちなのがよくないのでは、という気がする。

 『文化系のためのヒップホップ入門3』でSheck Wesがすごい扱い(大和田さんいわく「シェック・ウェスの〈Mo Bamba〉も最初きつかった」「これはきびしい」、長谷川さんいわく「これ、ヒップホップを通り越してジャイアンの歌ですよね」。239-240頁あたり参照)だったので、「おれけっこう好きだったけどな~」と思って昨年リリースされてた曲を聴いたらジャイアンみは減ってるがめちゃくちゃよかった。ラップが上手いとかじゃなく、なんか全体的に良い。リズムもゆるいんだけどビートの選び方とそこにフィットさせるデリバリーのセンスというか。
 「映像研には手を出すな!」4話までの一挙放送を見る。原作未読。伊藤沙莉さんの演技いいっすね。3人組でいうと完全におれは金森タイプ(つくりたい! みたいな熱意はあんまりない、つくるのけっこう好きだけどね)なので、しかもそれがむっちゃん(田村睦心さん)のCVなのでうれしい。水崎氏のCVやってる松岡美里さんてアイムの新人なんすね。声優のはなしばっかしてんな。1話めっちゃいい、そのまま2,3話と進んで、4話に至って「これどうなっていくんだ?」と思ったところで最終的に無理やり主人公たちがつくるアニメの力を強引にとんでもねー演出で見せていくのが凄いね。つくる喜びからつくりあげる困難を経て、そうかんたんに達成感なんて言葉で終わらせない熱意の発露をさらっと見せてるあたりとかも。
 どうでもいいんだけどB-Tのトリビュート盤シリーズのサブタイトルが”RESPECTIVE TRACKS OF BUCK-TICK”で、このrespectiveってどういう意味のつもりなんだろう、と思った。ふつうrespectiveといったら「おのおのの、それぞれの」という意味だ。意味は通じているが言いたいことはわからない。敬意のニュアンスを入れるならrespectableだろうが、でもそれもなんか違う気がする。

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2.1

 昨晩はなんだかんだ4時くらいまで仕事していて、起きたのは8時。眠いが、締め切りが近い。しかも3本くらいかぶってる。「これは書けるし、書きたい!」というのがフィットする幸運に恵まれ。まあ、一本でかいの(分量自体が8000字くらいある。すでに超えてるけど)以外は、落ち着いてやればちゃんとできるはず。いや、でかいのも落ち着いて堅実にやればできるんですよ。ですよね……。
 二木信さんと吉田雅史さんの「日本語ラップ最前線」対談、とてもおもしろい。CampanellaとRAMZAがやったやつやっばいっすね~。

 すんごいやんばい。記事の中で繰り返し触れられているけど、ブーンバップとトラップ、という二項対立ではすくいきれないビートの多様性あるよなー。吉田さんのビート分析の本はやく読みたい。いつ出るのかな。なんかさやわかさんとのゲンロンカフェでのトークでちらっと言ってなかったっけ。
 やってる原稿、夜になって、最後の一節を書けたらあらかた完成する。でもそこがいちばん大変だ。あと、文字数が多分4~5000字くらいオーバーする。ごねたら全部載らないかな~(ごねませんが…)。あと、EvernoteからWordに移して整えないと。Wordって嫌いな人多いけど、おれは好きです。
 大和田俊之・長谷川町蔵『文化系のためのヒップホップ入門3』(2019)読了した。必要に迫られて……という側面もありつつ。ヒップホップがポップカルチャーの中心に躍り出たことでヒップホップというカルチャーの輪郭が曖昧になっていく、その様子が放談のなかに刻み込まれているのが面白い。これをカジュアルに読んで、Cardi Bを中心に置いてトラップ以降のビートの革新を論じた、大和田さんのwebちくまの連載最新回をチェックするとよきかと。
 LOCUST編集部が編集後記としてラジオをやっているが、グループはいいね。グループはいい。孤独だ……。考えてみれば『文化系のための~』も対談で(あとこれほぼ全部講義とかトークイベントですよね)楽しそう、いま話題の『2010s』も『ポスト・サブカル焼け跡派』も対談。ポコラヂのぐぐさん回も面白かったしな。みんな人と話していてうらやましくなってきた。かといって別に人と話すのそんなに好きじゃないからなぁ。やっぱひとりでいいかぁ……。

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1.31

 6時起きくらい。朝からDAWを立ち上げて曲を読み込んでメトロノームならしたり切り出したりしながらちょっと観察(分析というほどではない、というか「分析」とかしたことがない)する。よく「考察」とか「分析」とか言うけど少なくとも自分の書いたものについてはどちらも正直しっくりはこない。いや、まあ、自分でも言ったりはするんだけど。そう言ったほうが通じるかな、みたいな……。
 田中宗一郎・宇野維正『2010s』、荏開津さんが勧めているし、店頭で見かけたら買おっかな、と思って本屋行ったんだけどなかった。(タナソーがTwitterで予約してくれと言っていたのはたしかであったな……)一応ふたつまわった。『ポスト・サブカル焼け跡派』も、まあ、みかけなかったね……。ちなみに道中、拙著が八文字屋天童店に平積みしてある(しかも第二刷なので、たぶん最近入荷した)のを発見した。芦田愛菜の読書本を挟んで後藤護さんの『ゴシック・カルチャー入門』も平積み。この並び、一瞬「山形出身つながり…?」って思ったけど芦田愛菜は山形と関係ない。ヱクリヲつながりもあるし隣においといてくれたらいいのに(ちなみに『ゴシック・カルチャー入門』、全然読み終わってない。あと半分くらい。読み出すと一気にドライブするので「とっとこう」と思ってたらこんな時期に)。
 2010年代の(特に北米を中心として)ポップカルチャーを語るなら、渡辺志保さんと辰巳JUNKさんのコンビで本でたらいいのになって思う。対談縛りみたいなのがあるわけじゃないけど。柴さんのnoteの件もあってこないだ該当号のMUSICA読んだら、Mura Masa『R.Y.C.』評は渡辺志保さんのが過不足なく(最後にちょっと大胆なこと言ってみたり、というのも含めて)ポイントを抑えたもので、さすがだな……と思った。ちなみに入江陽さんの短評も「この作品がみんなにどんな影響を与えるだろう」ってところをピンポイントで突いていて、かつ作家評としてもおもしろい。
 そういえばこないだblueprint行ったときに拙著の売れ行きどーなんすかと聞いてみたら、Amazonでは動いてないが書店経由の注文(お客さんが取り寄せる客注っていうやつ)は結構コンスタントにあるらしい。正直「Amazonの○○カテゴリでn位!」みたいなのかっこいいな~って思うけど、そうじゃない売れ方してるのもうれしい。むしろそっちのほうがうれしい。
 割とヒゲダンを推している(実際好きな曲はけっこう多い)が、あんまり記事のなかで書くとあれげな話なのでここでふと書くと、いかがわしさがあるのがいい。それと比べるとKing Gnuのほうが律儀に音楽をやっていると思う(直近のヒゲダン新曲評で対比的に書いたので例に出したまで。しかしAメロやBメロといったパートごとに、ふたつのキャラが違うボーカルやメロディラインやリズムを役者や構図のごとく配置して場面を描きわけていく手際が「白日」ではかなり光っている。音楽に対してデザインという言い回しが最近よく聞かれるが、単にサウンドを配置するだけじゃなく各要素の役割やその意味を含めたトータルなデザインがすぐれている、それは素直に凄い)。ヒゲダンは歌詞のデリカシーやキャラが醸し出す垢抜けなさとは裏腹な粗野さとかあざとさとかがあって、でもそこがなんか好きなんだよね。King Gnuのほうが話はあいそうだなと思う。何様だよ。

 altopalo新曲、素晴らしい。異様な展開は控えめ(「mono」とかみたいな)だが6/4拍子ベースで進んでいくいびつさがつきまとう。「これは正解なのか……?」というウワモノの処理、急にThe 1975かなんかかみたいな感じにまっすぐになるサビ後、でも変な音鳴ってんだよな。わけわからん。ずっと。

 ヒョゴがニューアルバムをリリースしたのだがこれが凄い。ごりっとしたベースにアンビエンスたっぷりのドラムがおもたーいグルーヴを鳴らしながらも、妙な(しかしプリミティヴな)空間系エフェクトづかいで背景が埋められていく。前作から思い切った方向転換だな~と思ったけど、メロディラインの親しみやすさやアレンジの凝りかたを度外視すると、空間系エフェクトの使い方が妙なところとか、けっこう連続性がある! ことに息づいた。ただ、なお異物感はすごい。

 SEEDAのインタビュー、よいな。「JP THE WAVYさん」とさん付けで呼んでいて「へぇ…!」となった。あと最後のテンションの上がり方で爆笑した。

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