TALK LIKE BEATS最新回。パ音にリミックスなど外仕事について聞く回がめちゃくちゃよかった(話しながら「これはいい回だな~」と思っていた)。まあ毎度ゲストの方のお話はめちゃ面白いんですが。話の本筋とちょっとそれますが「僕たち[パ音のふたり]って、つくるときに誰かの顔をイメージしてつくってるんですよね」(注)ってくだりとか、パソコン音楽クラブが「ユニット」あるいは「デュオ」であることの特別さを感じましたねぇ……。
Lil’ Leise But Goldの新曲がすげぇいい。たとえばPinkPanthressと並べても聴けそうな軽やかなドラムンだが、KM独特の硬質な、ちょっとIDMっぽくも感じられるときがあるビートの鳴りと、Lil’ Leise But Goldの脱力気味でメロディック、かつクールなフロウのバランスがすげぇいい(二度目)。
SUZURIで「I CARE」Tシャツ(ほか、ロンT、サコッシュ等)つくりました。ほんとうは「IKEA(一部英語圏でアイキアと発音される)」のロゴパロだったんだけど、あんまりシャレとしてうまくもないし精度も高くないから、単にロゴTということで黒一色でつくってしまった。意味は……特に意味はない。「誰も気にしないだろ(Who cares?)」とか「わたしは気にならない(I don’t care)」に対して「わたしが気になるんだよ(I care)」とはっきり言うほうがなんかおもしろい。とか、「気にしぃなんです」というアピールにどうぞ。とか、あるいは「ケア」概念に一家言ありパーソンとしての自己主張にどうぞ。とか…… あとI care because you doですよね、まあ……。
特定の企業にかぎった話ではないと思うのだけれども、完結したプロダクトとして洗練させようとすると、ユーザーが手をいれられる領域ってどんどん減っていく(拡張性やメンテの利便性が削られていく)。しかし、そうした方向性の洗練は今後見直されて、メンテナンスの容易さや拡張性といった要素が改めて「良いプロダクトデザイン」の条件になっていくんだろうなと思う。”[W]e’re thrilled to see Apple admit what we’ve always known: Everyone’s enough of a genius to fix an iPhone.”という記事の締めくくりが素晴らしい。
ニューヨーク州でラップの歌詞を捜査過程で証拠に用いることを制限する法案が提出されているそうで、つまりラップのなかでああしたこうしたというのは表現であって証言ではない、ということだそう。「そんなことあるの?」って思われるかもしれないが、白人男性アーティストが曲のなかで殺人の描写をしたところで「それはあくまで表現でしょ」と受け止められる一方で、ラッパーはしばしばそのリリックの内容が裁判において不利な証拠として使われてしまう例が紹介されている(最近やとテカシとか)。という話からわかるように、これは表現の自由をめぐる問題であるのと同様に、レイシズムの問題でもある(”The use of rap and hip-hop lyrics in particular is emblematic of the systemic racism that permeates our criminal justice system.”と法律の制定に動く議員は語っている)。
年末でリリースが重なるからか、取材の案件がいくつかたてこんで、ありがたいし、なにより作品が素晴らしいのでこちらのテンションも上がる。しかしリモートでのインタビューというのはなんだかんだ難しい。いや、そもそもインタビュー自体そこまで数多くないから、実は対面でやったインタビューってマジで2,3しかないか。おれはインタビューが上達していない可能性がある。TALK LIKE BEATSはあくまでトーク番組であってインタビューではないので……。
書きました。Rate Your Musicというコミュニティにおける評価がある作品を「世界」に広めていく様子をざっくりまとめました。RYMは言っちゃえばたんなるレビューサイトではあるのだけれど、ある種の音楽好きには影響力があり、それは必ずしもこのサービスが本拠地としている北米にとどまるわけではなくて、このコミュニティ独自の「世界」みたいなもんがあるし、そこから開けるキャリアだってある。言いたいことはいかにRYMが自己完結したコミュニティか(外部からのバズに影響をうけた様子がないので)ということと、その一方で、本文中でも書いたけれど、RYMでの高評価を「世界で人気」と言っちゃうのも「一部の音楽好きにウケてるだけ」で済ますのも不誠実だよね、ということでした。