d.silvestre, Mc Lv Da Zo, MC João Da Z.O - Tralha da Fac
The FADERのバイレファンキ特集記事でもその名がフィーチャーされていたd.silvestre。ダークでノイジーでエネルギッシュ、でもミニマルな構成にはスマートさも感じる。昨年のアルバム『Vol.1』(Spotify / Apple Music)もおすすめです。
Crizin da Z.O, Iggor Cavalera - O Fim Um
リオデジャネイロのインディーレーベル QTV Selo からリリースされたCrizin da Z.Oのアルバムから。ストリートのエグいファンキのサウンドをベースにしつつ、洗練されたプロダクションを通じてカオティックなミクスチャーサウンドに仕上がっていて、すげー妙だけど聴きやすい。耳をつんざくようなファンキのリフをメタルのサウンドへ溶け込ませる冒頭の本曲はそのよい例。
Lydo, Tomás Urquieta - Coil
ニューヨークを拠点とするLydoがローンチしたレーベルX-TRA.SERVICESの第一弾リリース、LydoとTomás UrquietaによるコラボEP。ミニマルな4つ打ち(1曲めは除く)はどれも超クールで、痙攣するようなエレクトロニック・パーカッションのロールが豊かなテクスチャを生んでいる。「Hand of God」もいいんだけど一番ストイックな「Coil」を推しておく。
sober rob - GO!
アメリカのプロデューサー、sober robの最新リリースは140のUKダブステップ調のベースチューン。スウィングしたビートとじわじわ入れ代わり立ち代わりモジュレーションしていくウワモノはシンプルなようで結構驚きがある。細かいエディットやさりげない展開がクセになるシングル。カップリングのSTFU Dubもベースのブリブリっぷりが良い。
HOWL - NEURO NEBULA
ベルギーのプロデューサー、HOWLのニューシングル。基本チャラめのベースミュージックではあるのだけれどリフのサウンドの繊細さに惹かれるところがあり。そこまで目立った展開をせずにリフのバリエーションで聴かせる感じもかなり好き。
Big Animal Theory, It-Works - Peak
アートワークが毎度印象的なBig Animal TheoryがラッパーIt-Worksを迎えてリリースした1分半のタイトなトラック。必要最小限の装飾を排したサウンドにモノトーンなIt-Worksのラップがベストマッチ。生じゃ歌えない畳み掛けるように重ね気味にパンチインしてくるラップの性急さも良い。
youra - Worm In The Apple
韓国のシンガーソングライター、youraのシングル。性急なイントロからフットワークっぽいビートにのせて漂うようなヴォーカルと印象的なリフレインがかわるがわる顔を出す。このビートがすごく面白くて、終盤のプリペアド・ピアノみたいにも聞こえるメロディアスなパーカッションの打ち込みが耳に残る。
田島ハルコ - Y2K ROUGAI
歪んだ303が暴れるビートに乗せてリアルなY2Kの記憶と現在をラップしているのだけれど固有名詞やスラングの絶妙さに(ちょっと世代違うけど)ぶち上がってしまう。「バキ童チャンネル」ってラップした人いまのところ(そしてこれからも)田島さんしかいないでしょ……。リリックビデオみながら聴きましょう。
Giant Claw, galen tipton, diana starshine - CRASH
Orange Milkからco-founderのKeith RankinによるGiant Claw、おれの最近気に入っているgalen tipton、そしてdiana starshineのコラボによる1曲。三者が混じり合うというよりはマーブル状になって切り取る瞬間ごとにぜんぜん違う風景見えてくるみたいな仕上がりで、
REIRIE - Silly Garden
hirihiriとvalkneeが昨年活動再開したREIRIEに楽曲提供。PRODUCT期のSOPHIEを憑依させたみたいなドライでねじれたエレクトロ・ポップで最高です。
NMIXX - Passionfruit
逆に今やってない奴いるんかというレベルでそこかしこでやってるジャージークラブ、好きだからいいけどもしかして食傷気味になってしまうのではと思っていたけれど、NMIXXのこれはハリのあるK-POP的ヴォーカルのうまみもありつつ、リフのキュートさで頭ひとつ抜けてる気が。
rowbai - nasake
シンガーソングライターrowbaiの来たるアルバム『naive』からの先行シングル。メランコリーを漂わせつつもメロディアスなビートと簡潔ながらポエジーあふれるリリックの組み合わせは、なんかちょっとdodoに近いものも感じたり……。メロディの感覚が近いのかしら。アルバムを楽しみにしております。
samayuzame - 亡き乙女のためのⅡ
samayuzameのシングルは曲想からリズムの細かなニュアンスまで、プログレばりの展開をポップソングの尺にさりげなくまとめあげる力量がみなぎっている。気を抜けばチージーになりそうなコードにメロディで陰影を深めるアプローチが面白い。
Ben Howard - Rumble Strip
イギリスのシンガーソングライター、Ben Howard。2021年のアルバム『Collections From The Whiteout』は実は地味に好きなアルバムだったのだけれど、同作のアウトテイクが正式にリリース(アナログ盤限定で入ってたりしたらしい)。The NationalのAaron Dessnerがプロデュースしていて、グッドメロディにちょっとユーモラスなエフェクトがひっきりなしに顔をだすファニーさがくせになる。
フレデリック - PEEK A BOO
昨年のM-1、一番笑ったのはヤーレンズのボートレースのくだりで、楢原が「のってけ♪ のってけ♪」とフレデリックの「スパークルダンサー」を一瞬口ずさんだところだったんだけどそれはどうでもよく、フレデリックが新曲をリリース。キャッチーなメロディとストレンジなリフにタイトな演奏、これだけでもフレデリックはやっぱいいなぁと思うんだけどさらにわけわからん大胆な展開も入ってきて、サービス精神旺盛すぎ!
AB6IX - ALL NIGHT
K-POPボーイズグループAB6IXのミニアルバムを聴いていたら、心地よいソフトな4つ打ちが始まるかと思いきやなかなかトリッキーなリズムを刻みだしてちょっとびっくりしたこの曲。キックとベースがシンコペーションして小節をまわりこんで醸し出す浮遊感はなかなか出色。こういう不意打ちって最近あんまりなかった気がする! よいです。
miida and The Department - Escape
miida(元ねごとの沙田瑞紀のソロ名義)とThe Department(avengers in sci-fiの木幡太郎と稲見喜彦のユニット)によるコラボユニットからのニューシングル。4つ打ちのハウシーな歌モノなのだけれど、単にハウスのグルーヴを追求するというよりも、あえてガチャガチャとしたパーカッションを被せてみたり、ちょっといなたい展開を入れてみたり、そういう遊び心の部分がぐっとくる。
Magic Flowers - Believe In Paradise
モルドヴァ出身のハウス・デュオ、Magic FlowersのEPからお気に入りの一曲。ミニマルハウスっぽさも漂うぶっといベースと断片的な声ネタが印象的なハウストラック。EPのなかだとダントツで地味な曲ではあるんだけど、ベースの質量感は随一。長かったらいいのにな~。サブスクとアルバムの内容違うけどBandcampでも買えます。
北村蕗 - Solution
新曲出るたびに紹介している北村蕗ですが、コンピ『CONNECTION NEXT UP COMPILATION Vol.4』に提供した楽曲がお目見え。7拍子のトリッキーなループを軽やかに乗りこなす見事さ! 毎度ほんとうに凄いです。
Aprxel - planet hollywood
ベトナム・ハノイのシンガーソングライター、AprxelのアルバムはストレートなR&Bのヴォーカル・アルバムにサウンド・コラージュを施したようなカオティックな世界が広がるインパクト大の作品。Pitchforkにもレビューが載っていて、drain gangやJPEGMAFIAを引き合いにだしながらそのスタイルが語られている。今回ピックアップしたのは長尺コラージュ曲の「planet hollywood」。最後の「escape 2 farewell」も超いいし、短い曲なら「terrorizers」もいいんだけれど……。アルバム全体おすすめです。