メリークリスマス。でもクリスマス要素はほぼなく平常運転です。
?si=c25bd7476fa94e7bjulek ploski - yes, oh my god
ポーランド・ワルシャワのjulek ploskiのシングル。エレクトロニックに歪まされたチェンバーポップみたいなサウンドから、タイトル通り例の"yes, oh my god!“のボイスサンプルが登場してユーモラスな雰囲気も漂う。苦手に感じることも多いんだけど、この曲は壮大ながらダークさに寄りすぎず、ネタ使いもあいまって抜け感もある感じが好き。
(((さらうんど))), munmu - yomo
イルリメとXTALのデュオとして再始動した(((さらうんど)))が、デモの募集を通じて出会ったシンガー/ラッパーのmunmuとコラボした楽曲を11月にリリースしていた。ソフトなヴォーカルをやさしく包み込むような重心低めの生々しくローファイなアンビエント・ダブのサウンドは、再始動作『After Hours』ともモードが変わった感じが。
崎山蒼志 - しょうもない夜
崎山蒼志がニューシングルでアレンジに迎えたのは原口沙輔! アルバム『アセトン』のリリースに加え、ボカロ曲「人マニア」が鬼バズって2023年を持っていった勢いがアレンジにそのままのっかった、underscores / 100 gecs以降のロック解釈を丹念にポップへとチューニングした手付きは最近の崎山さんのリリースでも出色の出来になっていると思います。
おとといフライデー - 幽霊部員
来年2月にアルバムのリリースも決定したおとといフライデー、期待がたかまるシングル連発してます。「幽霊部員」はプロデュースがまさかのThe Anticipation Illicit Tsuboiで、激烈サイケなブレイクビーツ歌謡。デカい音でずっと聴いてたら体調悪くなりそうだけど寝込んでもいいからヘヴィロテしてしまう。思い出すのはThe Avalanchesだったりする(Frontier Psychiatristとか)。
頓知気さきな - Himitsu
頓知気さきなのソロデビューシングルは2曲ともパソコン音楽クラブワーク。アップテンポにキュートさが迫ってくる「U.M.A.」もすごくいいんだけど、ゆらゆら揺れるメロディとクールなエレクトロのビートの組み合わせが絶妙な「Himitsu」が個人的にはフェイバリット。パ音がかわいい曲をやっていると……うれしい!!!
私立恵比寿中学 - BLUE DIZZINESS
マジで2023年はジャージークラブの1年だったという総括になる気がしてくるエビ中の超クールなジャージークラブ曲。AMEFURASSHIといいやっぱいまスタダがアツいんでしょうか。ずっとアツかったという説もある。
NewJeans - Attention (250 Remix)
実はDittoと並ぶくらいにゅじで好きなのがAttentionなんで、今回の原曲のエッセンスを絶妙に残しつつさらりとリモデルした250のセルフリミックスはめちゃくちゃ刺さった。イントロのチャントを組み替えて、ドラムのキットとパターンをよりタイトに鳴らすことで原曲よりも歯切れのよいグルーヴが出現。スネアのちょっと珍妙な鳴りやカウベルの存在感が心憎い。
Balming Tiger - Moving Forward
韓国のオルタナK-POPグループBalming Tigerのアルバム『January Never Dies』は2010年代のポップとオルタナティヴがうまくつながってた空気感をフレッシュなまま現在につなげているような印象を受けてめちゃいいなと思ってたんですが一曲選ぶならくせになるベースラインのうえに多彩なパフォーマンスがのっかるわちゃわちゃ感が魅力のMoving Forwardかしらと…… MVも良い。良いけどなぜか思い出すのはキュートン。
Kelela - Closure (Flexulant x BAMBII Remix feat. Rahrah
Gabor + Brazy)
Kelelaのリミックスプロジェクトから1曲。スローなヴォーカルナンバーをヒプノティックなダンストラックに読み替える絶妙さもさくことながら、アートワークとMVがどうみてもカプセルホテルのナインアワーズで撮られていて、ウケてしまう。こないだ来日したときに撮ったんだろうな。みんなでナインアワーズ行ってKelelaごっこしよう。
Tacbo, 没 a.k.a NGS - tele-tele
Twitterによれば「インドネシアのラッパー tacboと作った曲が4年越しぐらいで出た🌟🙌」というトラック、ビートの感触がたしかにSome Rap Songsとかあのころ(いまに通じる尖ったブーンバップの流れというか)っぽくて納得。でもかっこいい。
7, ZOT on the WAVE - WAKA
7の地元、和歌山を紹介する曲なのだが「大阪まで1時間ちょっと/山とか海あるいいとこ」という一番なんでもないところがなぜかツボに入ってしまった。「山とか海あるいいとこ」たしかにマジでそうだなと学生時代に和歌山行ったときのことを思い出した。てめーの思い出話かよ! みたいなコメントになってしまったけれどクセ強めの声質と和歌山弁やっぱ強い。EP全体好き。
Lunv Loyal - Matsuri
「Matsuri」って曲名だけど祝祭というよりは弔い。寂寞感のあるリリックにエモいギターリフをフィーチャーしたドリルのビートで1分半突き抜ける感じが◎。これが入ってるLunv Loyalのアルバムがまずよくて、祭囃子と秋田弁全開のラップが聴ける「Shibuki Boy」につながる流れも良い。
Nicki Minaj - Everybody (feat. Lil Uzi Vert)
Nicki MinajがJunior Seniorの名曲「Move Your Feet」ネタのジャージークラブやっててマジで最高かとなった。アラフォーの人泣いちゃうよ。それに尽きる。
Sanziani, Dj Djotah, Mc Gw - Plv
サンパウロのシンガー/プロデューサー、SanzianiのシングルはバイレファンキとUKドリルが折衷したスタイルのビートが超ソリッドでかっこいい。1分強の尺もクール。
DJ XABLAU, DJ Léo da 17, DJ MAGRONES, DJ WAI - O RETORNO DO SUBMUNDO
こちらもサンパウロのプロデューサー、DJ XABLAUを筆頭とするシングルで、Phonkの影響が色濃い音わっるいビートがめちゃかっこいい。最近英語圏のメディアでもバイレファンキのリリースが取り上げられることが多くなって注目度上がっているなか、すごく折衷的なスタイルもたくさん生まれているのがわかる2曲。
Cesco - Up the Place
前回Hamdiとの「Swing King」をピックアップしたCescoだけれど、同じEPにごりごりのバンガーが入ってて思わず今回もピックアップ。BPMは160くらいあるのだろうか。フットワークくらいのBPM帯でリズムパターンも似てるから繋いでも良さそう。声ネタの刻むリズムが4小節単位くらいで入れ替わり立ち替わりするのが絶妙。
Verraco - Escándaloo
コロンビアのDJ/プロデューサーVerracoのEPから表題曲。ちょっと前のリリースなんだけど、ラテンの影響色濃いビートに載るベースやサンプルの音選びが独特で少しユーモラスな外しがある。なのでストイックなつくりなのに人懐こい。そのバランス感覚がクセになる。
Ternion Sound - Simulacra
ミネアポリス拠点ながらUKのダブステップに大いなるリスペクトをはらったサウンドが特徴のプロデューサートリオ。今年出たアルバム『Digital Artifice』はDJセットを意識したノンストップな構成なのだが(サブスクでは。Bandcampはアンミックス)、そこに収録された楽曲をフル尺でEPとしてリリースしている。サブベースの沼に浸りつつ、上モノのレイヤーが厚く多彩で楽しい。モダンな140のダブステップ! という感じ。
Basic Rhythm - Unworthy
精力的にリリースが続くBasic Rhythmの最新EPから、サブベース地獄のドラムン、というかちょっとダンスホールっぽいフレイヴァもある異様なトラックをひとつ。他のトラックはストレンジながらドラムンの体裁はとってるんだけれどこれはビートよりもベースに振り切ってインダストリアル度を上げたサウンドがダークでクール。というところで今回のプレイリストはおしまい!