隔週で新譜を中心としたプレイリストを共有していきます。「今週の新譜!」という速報/時事ネタってよりは、直近数ヶ月で聴いたものをゆるっとキュレーションする感じです。
以下、各曲かんたんにコメント。今後コメントは有料にするかも。継続的にそれなりのもの書けたらだけど。
AMEFURASSHI - SPIN
スターダストのダンスボーカルグループ、AMEFURASSHIのシングル。渋めのジャージークラブでドロップがめっちゃかっこいい。ソングライターはsty。ジャージークラブをポップにやるの最近の流行りだけれど、そのなかでも出色だと思う。
NiziU - HEARTRIS
リアルサウンドのコラムでも書いたのだが、NiziUの韓国デビュー・シングルは韓国市場向け(というか非・日本市場というべきか…)にチューニングしつつ、でもJust the Two of Us系の進行でリリースカットピアノがさりげなく鳴っており日本っぽい要素を忍ばせてあるように思う。J-POP好きのリスナーにも刺さる。
岬なこ - スイートサイン
アニメ『ラブライブ!スパースター!!』でデビューした声優・岬なこのアーティスト活動ファーストシングル。ミドルテンポのネオシティポップでものすごい目新しいわけじゃないのだけれど、イントロのリードシンセからリズム隊、歌声まできちんとピースがハマった曲でヘヴィロテしてます。タイアップ先のアニメ(『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』)もみてみよーっと。
吉澤嘉代子 - ギャルになりたい
吉澤嘉代子のEP「若草」から。「ギャル」にあこがれる自己肯定感低めの主人公が「ギャルになりたい」から「わたしになりたい」と一歩進むところにベタながらぐっときてしまう。アレンジがキュートでよいなと思ったらMomだった! ところでこうした「ギャル」あこがれや「明るくて強いギャル」表象に対するアンサーソングってあるのかな。
Basement Jaxx, 100gecs - where’s my head at _
100gecsのBoiler Roomのオープニングを飾ったBasement Jaxx ‘Where’s Your Head At?‘のブートリミックスがオフィシャルリリース。スタジオで爆笑しながらつくったとしか思えないころころ展開する悪ふざけっぷりに聴いてるこっちも爆笑してしまう。
YOUNG POSSE - OTB
韓国の5人組ガールズグループのデビューミニアルバム「MACARONI CHEESE EP」はジャケすげーファンシーなのにビートもヴォーカルもバキバキな4曲がつまっててかなり良い。「OTB」は謎のチャントが際限なく鳴ってるなかでストイックなトラップビートとメロディアスなパートが入れ代わり立ち代わりするクールな1曲。まつもとたくおさんの記事も読みましょう→2024年のK-POPはよりマニアックな楽曲が求められる? ガールズグループシーンで起きている変化 - Real Sound|リアルサウンド
Machinedrum - CAPONE
間断なくコンスタントにリリース続けるMachinedrum。だいたい出してるもの全部良いのだけれど、フューチャーガラージっぽいアトモスフェリックな出だしからブリブリのベースが出てくるドロップがすごい好き。とにかくハイファイである。
PEEKABOO - Riddle
デトロイトのダブステップ系プロデューサー、PEEKABOOのアルバムが好みで聴いている。ダブステップっつっても割とフェスというよかクラブっぽいノリが強い印象で、「Riddle」のレイヴィなスタブの入り方がツボです。ダブステップとかリディムはエクストリームなものをもとめてしまいがちなのだがそこまでいかず、でも大味というわけでもなく。
HAAi - SHiNE (Mixed)
これはこの曲がというよりも、これが入ってるミックスが良いです。オーストラリア出身、ロンドン拠点のDJ・HAAiのDJ-Kicks。ハードテクノからトランス、レフトフィールドなベースミュージックを織り交ぜた、ゴリゴリなんだけどバラエティ豊かなミックス。ちょっとOvermonoのfabricを思い出すなど(あれもすごいすき)。
Ojerime, Sango, ESTA. - TIDE (Interlude)
サウスロンドン育ちのR&Bシンガー、OjerimeのEPは全曲「インタールード」ってタイトルに入っててちょっと人を食ったような感じなのだけれど、1曲めのこれはシアトルのプロデューサーでFrank OceanのリミックスなんかもしているSangoが手掛けている。Sangoはめちゃくちゃ好きなプロデューサー。バイレファンキをよく取り入れてるのでそこから知ったのだけれど。ひんやりとしたビートがくせになる。
食品まつり a.k.a. foodman - Hoso Michi
Nia Archivesの来日公演@東京でのライヴセットもすんごかった食品まつりさんのEPはニューエイジ的な浮遊感のなかにほぶらきんみたいなヴォーカルが入ったテンションが高いのか低いのか、チルなのかスカムなのかわからなくなってくる怪作。かなり好きです。
Salamanda - Homemade Jam
韓国・ソウルのアンビエント/エレクトロニック・デュオのニューアルバムから、シンプルな歌詞の繰り返し(make a jam, by myself…)がくせになる、アルバムのなかだとちょっと異色? な1曲。淡々と進行していくと思ったら気づくとものすごいサイケデリックになっていて、圧倒されているとさらっと終わってしまう。なにこれ白昼夢?
北村蕗 - IMIW
梅井美咲さんとの「amaranthus」でのデビューからめきめき注目を集めている(それ以前から、YouTubeやサンクラ、あるいはライブで注目されてましたが)北村蕗さんの新曲はダンストラック。音色の選び方や自由に変化するリズムにRei Harakamiイズムを感じつつ、展開のアイデアの豊かさや現代的なメロディ・コード感(なんかふわっとした言い方ですいませんね…)などにオリジナリティみなぎっててさすがっす。
Actress - Green Blue Amnesia Magic Haze ( d 7 )
Actressのアルバム『LXXXVIII』も地味にリピートしている。ダブ的な音響のつくりかたに近いようで、そういう方向の洗練とは違う志向がある……というのが面白いところなんだとわかってきたというか…… 作風は一貫しているような気がするけど今作でなんか自分のなかでチューニングがあったというかフォーカスがあった気がする。Andy Stottとかもいま聴いたらわかるのかな……。
Rainy Miller, Space Afrika, Coby Sey - The Graves at Charleroi
Blackhaineのよきコラボレーターとしても知られるRainy MillerがSpace Afrikaと一枚まるごとがっつり組んだアルバム『A Grisaille Wedding』が良い。Coby Seyが参加したこの曲はドラムレスでドローンやループ、リバーブのテクスチャで聴かせる。ビートが入るよりもこういうほうがおれは好きだな……。あとCoby Seyはほんとうによく見かけるな……。
三浦大知 - Sheep
来年には全曲新曲(!)のアルバムを控える三浦大知の、アルバムからの先行2曲め。プロデュースはUTA。『球体』のアンビエント路線とも異なるエレクトロニックなアンビエント感あるR&Bチューンで、ファルセットのシルキーな響きも素晴らしいし、ビートについていえばピアノの響きが印象的。繊細なピアノの響きが、大胆なシンセやビートと調和しきらずに共存しているかんじがちょっとコラージュっぽくて良い。
The Drums, Rico Nasty - Dying
The Drumsの近作はあまり聴いていなかったのだけれど、Rico Nastyが参加しているということで「なんだその組み合わせ!」と聴いてみた。そしたらアルバムのなかでも頭一つ抜けて刺さる曲あって、それがまさにRico Nasty参加曲だった。よく聴いていたころのインディポップ然としたサウンドからうってかわって(そういう曲もあるにはありますが)、エレクトロニックなサウンドに深いリヴァーブのかかったヴォーカルがいわゆるetherealな雰囲気を漂わせているアルバムで良いです。でも考えてみると、ちょっと陰りのあるゴスみや耽美感って初期からあったもんだよな。Joy Divisionを甘酸っぱくしたような?
kwes., Sampha, Tirzah - LGOYH - Let Go Of Your Heart
映画「Rye Lane」のサウンドトラックから。kwes.の2012年作「Meantime.」に収録されていた楽曲をSamphaとTirzahをヴォーカルに迎えてセルフリメイク。シングルにもなった同じ座組の「Open Up」もよいのだけれど、「LGOYH」はシンプルに曲がいい。10年前の曲とアレンジもほぼ一緒で、これだけ鮮烈に刺さるか~と……。きらきらとゆれるチャイムの音と歪んだベース、SamphaとTirzahの声。すごい多幸感っす。