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22日。

もう身体がだるくってやってらんない。足もばきばきだし。ということで宿の近くにあった手頃なマッサージに行って1時間リフレクソロジーともみほぐしをやってもらった。するとなんということでしょう。見事にいわゆる「好転反応」という奴が出て午後の私は使い物にならなかった。水飲んで寝てサウナで強制的にリセットし、なんとか夕方から活動。

神楽坂セッションハウスにて櫻井架純+三浦康嗣「レスリーケン」を見る。トーンアームを増設したターンテーブルをつかって櫻井さんがレコードを演奏しつつ踊る。増設されたほうのアームは、ポータブルプレイヤーで使われるみたいなチープそうな奴。なんでこんなことをしているのかと思ったら、タンテのまわりで櫻井さんが動くと針が飛ぶ、というインタラクションを狙っているようだった。今回のためにカッティングしたらしいループレコードがダンスにあわせてノイズまじりにいびつなサウンドをかなでる。というのがこれ一時間つづくのか? と思ったら2本のトーンアームをつかった演奏が始まったり、ネタが変わっていったりで、結構(あんま適切な言い方ではないが)「音楽的」な瞬間があったように思う。後半は、前半のパフォーマンスを録音した素材がリアルタイムでプロセスされ、それにあわせて踊る(ある意味二種類の演奏が前半と後半でそれぞれされたみたいな話である)。

サウンドも含めパフォーマンス全体が即興性を強く持っていて、かつもともとダンスとかほんとに見た経験が少ないので、あんまり適切に語るボキャブラリーが自分のなかにないのだけれど、「どーなるかわからん」ものをやる、ということの意義をぼんやり受け取った(気がする)。

23日。

相変わらず身体はだるい。でけぇ風呂のある宿にすればよかった。サウナだけだとそれはそれで物足りない。

持っていっていたズボンが2本とも股間が擦り切れてしまっていて焦る。ユニクロの銀座店に大きなサイズが店頭展開されていると聞いて向かう。サカゼンとかもおすすめされたけれども、正直「旅先で1日しのぐ」だけだしなあ。などと思ったのと、大きいサイズって基本ネットにしかなくて試着できないしユニクロの大きなサイズのサイズ感を知りたい。

せっかくの銀座なので銀座SIXに入っている蔦屋書店を偵察しにいった。拙著は在庫なし! 多分入荷もしてないのではないかなあ。これまで、岡崎、梅田、渋谷、銀座と蔦屋書店まわったけれど、岡崎以外は置いてなかった。この~ カルチュラル・コンビニエンス・クラブめ~ リズムから考えろ~ でも「かわいいウルフ」はありましたね。ほんと凄いな。同人誌だぞ? 面陳だもんなあ。

開店時間直前にユニクロに着いたらアジア系の観光客をのせたバスがユニクロ前にのりつけていた。車体には「Endless Smile」「Dream Catcher」と描いてあって、ハンパない縁起の良さ。たぶん中国人メインなのかな。その観光客グループに混じって開店前の列にならぶ。おれもしょせんはアジア人ということもあってなんの違和感もなかろうと思ったけれど、ひとりだけなんかみなりがみすぼらしいことに気づく。髭ものばしているし。表情もなんか疲れている。まわりは小綺麗で快活な観光客、自分だけくたびれた(しかもズボンの股に穴の空いた)おっさん。どうしようもない。

大きいサイズを探そう、と思ったものの、試着してみたらスリムフィットなんかでないかぎりはふつうに店頭で見かけるXLで十分履けることがわかり、拍子抜けしつつやっすいやっすい投げ売りのパンツを数本買う。

宿に戻ってまた寝る。なにしろ夜には荘子it(from Dos Monos)さんの主宰するパーティでDJである。トップバッターで、やることはあらかた決まっている。いつもはレフトフィールド系のベースミュージックとかフットワーク、ファンキの流れにあるビートが好きでプレイするのだけれど、J-POPをハーフスピードでリバーブとエコーをがんがんにかけて流す、いわば即興Eccojamsをするつもり。でも正直おもしろくなるのかはぜんぜんわからない。

不安とうっすらとした体調不良に苛まれつつ昼下がりをだらだらとまどろみながら過ごしたあと、渋谷Contactに向かう。柳樂光隆さんがサウンドチェックしてたので挨拶。以前OPNのトークイベントに行ったときご挨拶したことがあったのでお会いするのは二度目。さらに大谷能生さんともご挨拶。初対面である。以前ちょっとしたDMのやりとりをしたことはあったのだけれど。

自分のDJ自体は、思ったよりも自分では楽しかったというか、もうちょっと仕込みや機材を工夫するとこれは面白いことできるのでは? という謎の手応えがあった(逆に言うと、「これだけできるならもっとちゃんとやればよかった!」という気持ちもある)。でももうやる機会はないかもなあ。帰ったら試しにミックスつくってアップしてみよう。

各人のDJはいずれも素晴らしく(当然ではあるが)、特に荘子itさんのビートやっぱかっこいいし、改めて聴くとビートの過剰なもつれはちょっとSkweeeを思わせた。あと大谷さんがマッキーのカバーした「Traveling」かけてがんがんに振り付けやっててめちゃくちゃよかった。

メンツがメンツだったということもあり会場はかなりカルチャーみが高く、ふだんは温泉行くかショッピングモール行くか部屋で原稿書いてるかしかしていない自分はカルチャー酔いをしてしまった。なんとなく数人で集合写真をとる流れになったのだが、おれ、小熊俊哉さん、柳樂さん、そして石若駿さんの4人という謎のラインナップ。「え! 石若駿ってあの石若駿じゃん!」と内心思っていた(それを言うと「うわ! 大谷能生だ!」ともずっと思っていた)が、緊張を通り越してはたから見た感じでは平然としていたのではないかと思う。

カルチャー疲労を起こして息も絶え絶えになり、へろへろで宿に戻ってぐたっと寝る。翌日(というのはこれを書いている今日、今夜のことだが)にはblock.fmでtomadとMiiiさんのやっているマルチネ放送室βに出演する予定で、DJプレイもすることになっている。こっちは自分が最近つくっていたエディットを中心にばきばきにテンションの高い感じにするつもり。トークがどうなるかはわからない。公開生放送なんで現場来てもらったらうれしいっす。

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