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 cupcaKKeの今年二枚目(!)の新作『Eden』、独特の華があるというか存在感のある声質でやっぱラップうめぇ~というのがまっさきに思い浮かぶ。えっぐい下ネタを交えながらがんがんボースティングしていくさまは痛快、歌詞読んでるとその清々しさに笑ってしまう。

 しかし最後の曲「A.U.T.I.S.M」のしょっぱなで「自閉症の子はみんな私が味方だってわかってる Every kid with autism know that my heart with ’em」とかまして、フックでは「自閉症(Autism)」を「ユニークな考え方をする個人こそが大事なんだ A unique-thinking individual strongly matters」と読み替えるのには恐れ入った(各単語の頭文字を見てみましょう)。ヴァースで披露するフロウも畳み掛けるようで気迫が違う。

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 下ネタもボースティングも一切なしでひたすら自閉症の子たちに「私は味方だ、話も聞く、あなたを自分と同じ人間として尊重する」と説き、一ライン一ラインが彼らを勇気づけるために割かれる。正直パンチラインしかない。全文訳したいくらいなんだけどわかんないところがいくつかあるのでいまはやめておく。でもセカンドヴァースはおれが読んでも勇気づけられる。cupcaKKeみたいな大人がいて、こうして表現者として持てる武器を使って誰かのために戦ってる、しかも彼女の持ち味の下ネタとか露悪性は一切使わずただメッセージを伝えることに献身するかのよう。というのが既に打たれるというか。そもそも彼女のキャラクター自体がきわめて(露悪的でありつつ)批評的でもあるんだけれども。

 「で、もしハンプティ・ダンプティが壁から落ちたら/もう一回登りゃいいって言ってやれ And if Humpty Dumpty fall off the wall / Tell Humpty Dumpty re-climb, ayy」という具合にマザーグースを引用して「失敗したってやり直したらいい」と訴えるヴァースのラストラインはもはや泣ける。これが家族を含めた自閉症当事者にとっていいメッセージかどうかという点には常に注意を払うべきかとは思うけれども、少なくともリスナーに対するある種の啓蒙みたいな役割は果たしうる。

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