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月: 2021年12月

健康と能率(31)

PAR [PC음악] | POCLANOS

プレイリスト魔人ことttさんも紹介しててじっさいすごい面白いPAR『PC MUSIC』、POCLANOSのレビュー見たら無名の新人でデビュー作という。PC Musicというのでどうしても例のPC Musicを想起したりもするけど、タイトルこそ人を食った感があってもサウンドごとシニカルな感じはそんなにない(歌詞はどうなんだろう)。

ペット・サウンズが「難解」かどうかは正直「どうだったっけなぁ~」って感じなんだけど最初に聴いたときにそんなに面食らった記憶はない。歌詞読んで「暗すぎるだろ!」ってびっくりしたのは覚えている。

関係ないがLou Reed『Metal Machine Music』が問題作とか騒音とか言われてどんな過激な作品なんだろうと思ったらぜんぜん美麗なドローンで拍子抜けしたのを思い出す。あれはある種のノイズがしばしば志向するサウンドの即物性に対してものすごくサイケデリックでイリュージョン的なアルバムだと思う。バグパイプのドローンみたいに倍音がきらきらしてそこにオーロラみたいにいろんなハーモニーを投影してしまう。そういうアルバムで、メタル! マシーン! みたいな言葉が醸す印象とは全然違う甘美さがあって、やっぱある意味でLou Reedっぽいアルバムなのかなぁ。

[IZM이즘x문화도시 부평] #17 김홍탁 – Neo Music Communication IZM

韓国の音楽メディア(評論を中心としたウェブジンというか)IZMの記事を見ていてふと気になって読んだインタビューが面白かった(機械翻訳と辞書でなんとか)。ロックバンド、キーボイス(キーボーイズ)としてデビューしたのち後続のアーティストにも大きな影響を与えたキム・ホンタクのキャリアを本人の言葉から振り返る。

いぶりがっこ、伝統の味ピンチ 衛生基準導入、高齢農家「何年できるか」―秋田:時事ドットコム (jiji.com)

いぶりがっこ、食ったことないな……と思いつつ、Lunv RoyalのIburi Gacko Flowを思い出していた。

Terrace Martin『DRONES』収録の小曲(作曲はPJモートン)、ハーモナイザー的なモジュレーションかと思ったら音色はあきらかにトークボックスでなんかおもしろかった。アルバムもようやく聴いたけどいい。アボかどさんのレビュー→2021年おすすめ新譜アルバムVol. 93 :Terrace Martin「DRONES」|アボかど(にんじゃりGang Bang)|note

一週間後に東京行くことになりおおわらわ。

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健康と能率(30)

新しい日記の下書きをつくろうとしたら、間違って前回のに30ってナンバリングして、まるで29が欠番みたいになってたので直した。

最近おなかが痛い。といってもおなかを下しているわけじゃなくて、便秘気味というか。オートミールをどんどん食べる。オートミールとバナナのパンケーキ、いいです、オートミールとバナナと卵、ベーキングパウダー、つなぎの小麦粉少々をヴァイタミックスにどさっと入れて、ゔぃーんとまわす。砕かないオートミールよりもちゃんとパンケーキになる(小麦粉の量を徐々に減らしてみている、最終的にゼロにしたい)。腸内環境整えないと……。

12月はインタビューの案件が珍しく重なって結構たいへんだったのだが、一区切りついた。インタビューがうまくなって月に1,2件はできるようになるとうれしい……。区切りがついたし読書と音楽に時間を割きたい。なんとか調子も取り戻してきた。

昼間の用事が済んで一息ついて、食料を買いに車を出す。カーステでKacy Hillの『Simple, Sweet, and Smiling』をかけていたら、「Walking at Midnight」があまりにも良すぎて、「これはあまりにも名曲!」とマジで声に出してしまった。ひとりの車内で。めちゃくちゃ淡々とした、起伏らしい起伏は構成上あまりない曲なのに、コーラスに向けて少しずつ音に厚みがでて、すこし重なるアコギで音が豊かになり、ベースもぐっと力が入って、ドラムにも力強さがあらわれ……というのでものすごいクレッシェンドが体感的に起こる。カタルシスを呼ぶよりも、じんわりとした高揚が伝わってくる。

ずっといれたらよかったんだけど
当然みんなといるのは楽しいし
今はいちばん素の自分に戻ってるところ
思わせぶりにはなりたくない
ねえ、あそこにいるのが嫌なんじゃないんだ
ただ、みんなおしゃべりが止まらなくってさ
あの気持ち、15歳のときみたいだった
まるで、部屋に閉じこもったわたしに、世界がのしかかってくるような

それで、真夜中に歩いてる
なにが本当でなにが空想かわからないな
いま、真夜中に歩いてる
思い上がった人みたいに

ひとりで自分に歌いかける
本当に大丈夫だって安心できる、そんな歌い方で
あなたはまだこの通りの先で踊ってるんだよね
いっぽうのわたしは月を眺めて
街の灯りはぜんぶ、暗く冷えきってる

それで、真夜中に歩いてる
なにが本当でなにが空想かわからないな
いま、真夜中に歩いてる
思い上がった人みたいに(これはこれで楽しい)

Kacy Hill, Walking at Midnight, 拙訳。元はGenius。
Kacy Hill – Walking at Midnight Lyrics | Genius Lyrics

歌詞の内容は、パーティをひとりだけ先に抜けた語り手が、すこし名残惜しそうにしつつも、実はむしろほっと一息ついて真夜中の道を歩いている、というものだと思うんだけど(そのように訳した)、孤独にアンビバレントな安心をおぼえるその感じが、もう、わかるわーっ、となってしまう。特に、「ひとりぼっちで歌いながら歩く語り手」、「パーティに残ってはしゃぐ“あなた”」、「空に輝く月」、「静まり返った暗い街」という描写の連鎖が、視線の移動の感じとか、対比関係をちょっとずつずらす(みんなといるあなた/ひとりでいるわたし、輝く月/暗く静まり返る街、というふたつの対比が絡み合って、単なる対比以上のものがうまれている)感じとか、めちゃくちゃ素晴らしい。ただ動詞の「tempt」を名詞的につかったときのニュアンスがあんまりよくわからないな。変な意味の歌詞だったらどーしよ(Having a good timeだからそんなことはないと思うけど)。

1ヶ月先に届くと思っていたパルスイートが、なんか今週~来週で届くみたいな通知が来た。いいけどあれなんだったんだろう。

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健康と能率(29)

スピーカーからノイズが出て、以前おなじ症状が出たときに原因究明しきれなくてスピーカーを修理に出し、にもかかわらず症状が再現できず戻ってきた苦い記憶が蘇る。今回もいろいろ試したけど、果たしてこのノイズがどこから出ているのかもなかなか究明できない(まれにランダムで「ジジジッ……」と音がのる)。試行錯誤しているうちにノイズはおさまってしまった。

心身の調子がわるいせいなのか、「どっかに身体をぶつける」系のミスが多く、ペン立てをがっしゃんやってしまったり、紅茶をざっぷんいってしまったり、本の山をどさっとやってしまったり、なかなか大変である。この状態で車の運転したくねぇ~ 幸いする用事はないんだけど。

爆裂な腹痛に断続的に悩まされており、悩ましい。体力がぐいぐい削られる。

underscoresがEPだしたね。Travis Barkerまで参加してて、underscoresの勢いと共に「ほんとにTravis Barkerいまひっぱりだこだな……」と感じる。昨今いろんな角度で進んでいるロックなサウンドの他ジャンル経由での再解釈においてもっとも存在感を放っているミュージシャンのひとりだろうな。それがヴォーカリストやギタリストではなくてドラマーだというのが面白い気がする。もちろんTravis Barkerが他ジャンルへの関心が高く演奏者のみならずプロデューサー的な動きもしているってのも大きいかもしれないけど、実際ドラムの演奏で呼ばれてっからなぁ。

EXOのKAIのソロ作、前作もよかったけど今回もすごく良い。前作が特にリード曲の「Mh…」がかなりしっとりメロウでたまんない感じだったのに比べるともうちょっとドライかも。それが如実に出ているのがヴォーカルの扱いで、歌い方も歌い上げるニュアンスは抑えめのように思うし、声のサウンド自体も輪郭がはっきりして存在感も強い。と思えば「Vanilla」「Come In」はコーラスの入れ方がおもろい。「Come In」なんか、Francis and the Lightsみたいになるかと思ったわ。本人のヴォーカルがタイプ違うのでそうはなってないけど。もっとメインのヴォーカルで遊ぶようなアプローチあってもいい、のかな。とはいえこの声を変にいじくりまわしてもしょうないか。しっとりした(しかしメロウというよりほっこり?)ラストの「Blue」もよい。

声、つったらオマゴルのこれめちゃよかったんだよな。ハーモナイザー(いわゆるプリズマイザー)を使ったアプローチも良いし、全体として繊細なウィスパー寄りの歌唱の活かし方がめちゃ良い。

今年しみじみよかったのといえばSTAYCの1stミニ・アルバムがポップさと落ち着きのバランスがめちゃよくて、ビートもヴォーカルもすげぇハマった(全部プロデュースはBEPとの)。やっぱり先鋭さというかとっかかりのある曲のほうが「すげー!」ってなりやすいのだけど、いまグッとくるのはなんやかやこういうのだったりする。

vFlatというスマホ用のスキャナアプリが良くて、なにがいいって見開きの左右分割スキャンができたり、細かいところもAdobe Scanなんかよりも好ましい。

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健康と能率(28)

姉から確定申告関係の書類の引き継ぎが追加であり、うわーもうそんな季節だもんね、怖い怖い、となった。今年から仕事用の口座とクレカをつくったので、領収書の整理だけなんとかなれば、あとはやよいの青色申告の画面とにらめっこすればなんとかなるのではないか。固定資産の登録とかどーすんの?(還付金で買ったBabyface Pro FSくらいだけど)とかわっかんね~となっているが、まあ……。

紅茶やコーヒーに入れる甘味料はパルスイート一択なのだが(料理の場合はその限りではないし、チャイもだいたいきび砂糖をいれる)、ふとネットでまとめ買いしたら安いのでは? とチェックしたらAmazonにパルスイートの業務用1kgというパッケージがあった(アフィリンク注意)。3000円くらいなんだけど、おれが見たときには2000円のがあって、マケプレなんだけどAmazon発送扱い(アウトレットでよくあるやつ)だったのね。これで手に入ったら儲けもの、駄目だったら駄目だったでしょうがねえ、と思って注文したら発送が1ヶ月以上後なの。つまり年明け。正直びっくりしたけど、まあ長く使うもんだし、一ヶ月くらいなら近所のスーパーで買う一袋でまかなえるからなぁ。

TALK LIKE BEATS最新回はceroの高城晶平さんがゲスト。2021年のアルバムを4作挙げてトーク、なんですが、「この作品がいいよね」という話にかぎらず、作品をきっかけに音楽のあり方、生活の中での聴き方、そしてceroというバンドのあり方までいろいろ話してます。なかでも言ってるけど、Buffalo Daughter、パソコン音楽クラブに続いて、「誰かと音楽やる」ってどういうことなのかについて、いい話が出てきます。特に終盤、「この年になってから自分でバンドメンバーを集めようと思ったら、プレイヤビリティの高い人ばっかり集めちゃう」「そういう価値観じゃないところから集まってなにかをつくるみたいなことが不可能なんですよ、この年になると。上手い人と知り合っちゃってるし、呼べちゃうから」って話はなるほど、と思った。上手さとか知識とかじゃないところでつながった人たちが一緒に試行錯誤しながら音楽をする、って、たしかに「奇跡的なこと」なのかもしれない(注)。

なんかTwitterで、「将来なりたい職業の1位がライター」みたいなのが話題になっていて、いろいろと複雑なあれがあれしているのを観測したのだが、なんちゅうか、ものを書くというのがいろんな人にとって当たり前になりすぎてるなかで、この日常的な書く行為の延長線上にライターという職業があるかといえば実はそうでもない、みたいなことって伝わりづらいだろうし、なんんならひょんなきっかけでライター始めちゃったみたいな人はそれにものすごく悩んでいるだろうなということをふと考えた。元の記事は……なんかまあ、イメージってそんなもんだから。

そもそも「ライター」という職業自体が幅広すぎて、たとえば

A:(ARuFaみたいな)ライターになりたい
B:(タナソーみたいな)ライターになりたい

このAとBの会話は完全にすれ違いコントじゃん。そうしたロールモデルだけじゃなくて「筆一本で成り上がる」みたいな捉え方や「好きな分野に自分なりのやり方で関わる」みたいな捉え方、あるいは「クラウドソーシングで副業」みたいな捉え方もあり、業界や分野や、あるいは媒体によってすら働き方は違うし、もっとめんどくさい、仕事のやり方を教えてくれる人も必ずしも多くない。

ライターはこんなにしんどいぞ、みたいなことは経験としてまったくそう思う(のでこれ一本で稼げるほどの量の仕事はなかなかいれられないし、自分の状況としてはふだん高校生のバイトくらいの稼ぎしかない。つまり自立はできていない!)。なので状況を変えていけたらいいなと思うものの、なにができるんだろうか、果たして……。個人的にいろいろと地味にやっていることはある(仕事の条件とかで)のだけど、なんだかねえ。

Arcaの新譜、Kick i,ii.iii,iiiiって書きそうになるけど4枚で全部「KICK」の大文字小文字表記違うのか(KiCk i、KICK ii、KicK iii、kick iiii)。へ~って思ってArcaのインスタチェックしてたら本人はポストのなかでは全部kickで通していた(というかポストの中身はすべて小文字表記だ)しiじゃなくてふつーに3とか4とか書いてた。ずこーとなった。なんだかんだでKiCk iを聴き直して、KICK iiを聴いて、KicK iiiは途中まで聴いてちょっとあれがあれして中断。

注:ざっくり書き起こし。「自分のソロをやって痛感しましたけど、この年になってから自分でバンドメンバーを集めようと思ったら、プレイヤビリティの高い人ばっかり集めちゃうんですよね。それで、プロな集団、コロニーをつくってしまうんだけど。ceroってもう高校生のときからやってるから、そういう価値観じゃないところから集まってなにかをつくるみたいなことが不可能なんですよ、この年になると。上手い人と知り合っちゃってるし、呼べちゃうから。そういう、おれ、荒内くん、はしもっちゃんみたいな、プレイヤーとしてもなんなのかよくわかんない、コンポーザーとしてもなんなのかよくわからないみたいなのが3人集まってああだこうだ言って曲をつくれるって、結構奇跡的なことっていうふうに気づいてくるというか。それを最近すごい痛感しますね。(1:00:30~)」

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健康と能率(27)

「先週末で一気に寒くなったな~」と思っていたら12月入ってもう一段寒くなった。やめてほしい。寒すぎる。風邪引くかと思った。というか風邪っぽい予感がしてちょっと昼に寝たよ。

Hwa Saのシングル、3曲めの「Bless U」でクライマックスにごりごりにギターが鳴るのが絶妙ないなたさですげぇよかった。”bless you” のリフレインと共に……。

コラボグッズ|ちいかわ × TOWER RECORDS コラボグッズ – TOWER RECORDS ONLINE

ちいかわとタワレココラボ。ハチワレが音楽聴きながら「アッッ 「転調」したッッ」って言ってるTシャツちょっと欲しい。欲しいけどなんかこのハチワレ関ジャム毎週見てそうだなと思った。

転調とか、正直「キーが変わったくらいでなんだよ」くらいの気持ちが、ないではない。はっはっは。冗談だよ。

あれ~Arcaの新作ってもう出てんだっけ、っていやもう12月じゃん! ぼんやりしすぎたぜ。とか言ってたんだけど、いや、もうiiiiまで出てんの? 出しすぎじゃない? 尺はそんなでもないみたいだけど、なんかもう今年中に聴けないかもしれないな。みんなすぐに聴いてああだこうだ言っててスゴすぎると思う。一日一枚でも聴けたらいい(仕事できかにゃならんものを除く)、くらいの気持ちでいますよ、もうここんとこずっと……。生活が、ただ生きるということがあまりに大変だ。

身体洗うのにボディタオルじゃなくてボディブラシを試してみたら手に力を入れすぎても当たり方がソフトなのでかなり自分向きかもしれないと思った。なんかごりごりやっちゃうんだよな。坊主頭なので、頭もブラシでごしごしする(シャンプーは使う、もしかしたら頭用のブラシはわけたほうがいいのかもしれない)。風呂上がりは顔だけじゃなくて頭も化粧水つけて保湿する。それでどうにかなってほしい、いろいろなことが。

カシー・ヒルのアルバム。どちゃくそに良い。楽曲の良さとテクスチャの妙で、耽溺しつつもハッとする、みたいな心地よいアテンションの波にゆられる。このアルバムにはJim-E StackやJohn Caroll Kirbyがプロデューサーで参加しているらしく、そのあたりの采配も大きいのかもしれない。一番おもしろいと思ったのは80sっぽいぺたっとしつつクリアな音像のアクセントに低ビットレートのmp3みたいな鈍ったテクスチャが混じっていることで、カラフルな画面に灰色を差し色にするみたいな奇妙な感覚がじわっと漂う。がっつり歪ませた音も意外なタイミングで入ってきたりして(「So Loud」のリンぽいドラムとかね)。音色のある種の鈍さというのはRostamがよくやる印象があり、ある意味ではデジタルエフェクターでモジュレーションをがんがんにかけられたSam Gendelのサックスにも通じるところがある。

ロスタムの、というのはこういう感じというか。そのドラムの音なんなんだよっていう。ナイス鈍い音。

勢いと協働、メディアとコミュニティ – 『クラブと生活』の実践/inkyo・wanu・さのかずや|トーチライト – ここでつくって生きていくメディア|note

「クラブと生活」のふたりの話が読めてよかった。成功や挫折といったわかりやすいまとめ方はあらかじめ避けられているし、かといってPDCAサイクルがんがんまわしてどんどんやっていきますぜ、みたいなガツガツさで未来を語るわけでもない。話してる内容はしんどみが強いのだが、不思議と苦みはさほどない、不思議な記事だった。

うすうす思っていたのだが、おそらくおれはもうクラブとかフェスに行くことはよほどのことがないかぎりないのかもしれない。体力が持たない。外出がそもそもきついし。適度に、体をいたわりながら、またクラブとかに行けるだろうか。だろうかねぇ……。でかい音でダンス・ミュージックは聴きたいの。おうちにクラブをつくりたい。でっかいソファがあって、たくさんお茶が飲める。

世間は妄想みたいなものを過大評価しすぎている。「メタ(フィクション)」も安直にほめそやしすぎる。

折坂悠太『心理』、すばらしいアルバムなんだけど心惹かれるのが実はインストの「nyunen」や「kohei」だったりする。なんというか、このアルバムが持つ言葉の外の雄弁さに触れているかのような気持ちになる。それで言うと「春」とか「鯨」のバランスがすごい好きなのよね。邦楽器でいうところのさわりみたいなノイズのニュアンスが。「鯨」は素晴らしい。ほんに。

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健康と能率(26)

めっちゃくちゃ緊張する仕事があって、直前まで情緒不安定パーソンになっていたのだが、はじまってみるとまあ腹はくくれて、なんとか乗り切れた。自分も含めてその場の空気としてはわりと満足感のある出来で、告知するのはかなり先になるのだが、楽しみにしてほしい。

近所のゲオやブックオフがかつての記憶を失って家電屋みたいになっていることはなんどか書いた気がするけど、やっぱり切ない。そのゲオはもともとヴィレヴァン(名前自体はBunBun堂だったのだが、中身は実質ヴィレヴァン)で、洋楽のCDとかマニアックなムックや漫画を買えたところだったのが、高校生くらいのときに? ゲオになってしまった。なってしまった、とはいえ、レンタルショップがあるのは悪くはない。これまでもお世話になってきていたし。それがレンタルショップすらもなくなってしまったらどうなるのだろう。東根のTSUTAYAやゲオまで行くのか? そもそもCDショップだってほとんどないのだ。

年末、なんだかんだいって一年振り返り、ベストみたいなことをやる機会はどっかであるんで、ちまちま振り返りをしているのだが、Hiatus KaiyoteやTyler, the Creatorって今年だったっけ……なんて、もう夏あたりの話題作が2,3年前みたいに感じられる。Vampire Weekendの「2021」をSam Gendelがリワークしたやつも2021年の頭リリースだから今年なんだよ! 恐ろしい。恐ろしすぎる(Sam Gendelめちゃくちゃ働きまくっているが、なんだかんだで「2021」のリワークが最強な気がする。参加作品でいえば『Notes with Attachments』とか……。ベタだけど)。

急逝したヴァージル・アブロー。たとい自分のようにファッションにあまり関心がなくとも音楽やファインアートのような領域にもその名前はひびいている存在ではあり、あれほど若くして亡くなったことに衝撃を受けた。くわえて、2年も闘病を続けていたというのが……。マジで?

8 quotes of Virgil Abloh taught us – i-D (vice.com)

追悼がつづくなかでi-Dがまとめたヴァージル・アブローのクオートを見かけた。↑のひとつめのやつなんだけど、その勢いがおもしろくてつぼにはまった。

やりたいって言ってることを本当にやる意欲があるんだったら、もうこの話は切り上げて実行に移せ。きょうのうちにTシャツを刷れ。「きょう」っていうのはこれから30分以内ってこと。もしやらないんだったら、やらないってこと自体があなたの問題だ。

If you really want to do what you say you do, leave this conversation and do it. Go and print that T-shirt today, and by today I mean in the next 30 minutes. If you don’t do it, that’s your problem

8 quotes of Virgil Abloh taught us – i-D (vice.com)

「きょう」っていうのはこれから30分以内ってこと(by today I mean in the next 30 minutes)の圧がすごい。ほかにも、disruptor(破壊者)になることに意味があるわけじゃなくて、自分の周囲や出身のコミュニティに対する指針になりたいんだ、というのは、これはある種のヒップホップ的な精神という気もする。ファッションに限らず、ロールモデルになることにこれほど意識的であるということ自体がきわめて現代的だよな(おそらく、そう考えてきた人びとはこれまでにもたくさんいたろうが)。

100 gecsの新曲、最高やった。Laura Lesのボイチェンとっぱらったボーカルにグッと……。盛り上げといてハーフでとります、みたいなことがない潔さっていいよなぁと最近思うようになりました。

通してちゃんと聴いてなかったな……っていうのの筆頭で、Erika de Casier『Sensational』、素晴らしい。Aaliyah的なヴォーカリゼーションとUKガラージやアフロビーツのビートが絶妙にクロスする瞬間がたっぷりですばらし。

「批評家」って名乗るのもうやめようと思う。ひょんなことから2年ほど使ってきた肩書でしたが2022年からはライターとなることでしょう。

前回TohjiやCANTEENが動き出してることに対する違和感を書いたのだが、思った以上にCANTEENがんがん動いてて、うーん、となる。繰り返すが、他の被害当事者を黙殺せずに向き合うべきだろうし、それは果たされる見込みがあるのだろうか。形式上はこれ以上求めうるものはないのかもしれない、とはいえ。CANTEENといえばtomadなんかは古い付き合いでもあり、ずっとひっかかっている。

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