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カテゴリー: Japanese

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日記

22日。

もう身体がだるくってやってらんない。足もばきばきだし。ということで宿の近くにあった手頃なマッサージに行って1時間リフレクソロジーともみほぐしをやってもらった。するとなんということでしょう。見事にいわゆる「好転反応」という奴が出て午後の私は使い物にならなかった。水飲んで寝てサウナで強制的にリセットし、なんとか夕方から活動。

神楽坂セッションハウスにて櫻井架純+三浦康嗣「レスリーケン」を見る。トーンアームを増設したターンテーブルをつかって櫻井さんがレコードを演奏しつつ踊る。増設されたほうのアームは、ポータブルプレイヤーで使われるみたいなチープそうな奴。なんでこんなことをしているのかと思ったら、タンテのまわりで櫻井さんが動くと針が飛ぶ、というインタラクションを狙っているようだった。今回のためにカッティングしたらしいループレコードがダンスにあわせてノイズまじりにいびつなサウンドをかなでる。というのがこれ一時間つづくのか? と思ったら2本のトーンアームをつかった演奏が始まったり、ネタが変わっていったりで、結構(あんま適切な言い方ではないが)「音楽的」な瞬間があったように思う。後半は、前半のパフォーマンスを録音した素材がリアルタイムでプロセスされ、それにあわせて踊る(ある意味二種類の演奏が前半と後半でそれぞれされたみたいな話である)。

サウンドも含めパフォーマンス全体が即興性を強く持っていて、かつもともとダンスとかほんとに見た経験が少ないので、あんまり適切に語るボキャブラリーが自分のなかにないのだけれど、「どーなるかわからん」ものをやる、ということの意義をぼんやり受け取った(気がする)。

23日。

相変わらず身体はだるい。でけぇ風呂のある宿にすればよかった。サウナだけだとそれはそれで物足りない。

持っていっていたズボンが2本とも股間が擦り切れてしまっていて焦る。ユニクロの銀座店に大きなサイズが店頭展開されていると聞いて向かう。サカゼンとかもおすすめされたけれども、正直「旅先で1日しのぐ」だけだしなあ。などと思ったのと、大きいサイズって基本ネットにしかなくて試着できないしユニクロの大きなサイズのサイズ感を知りたい。

せっかくの銀座なので銀座SIXに入っている蔦屋書店を偵察しにいった。拙著は在庫なし! 多分入荷もしてないのではないかなあ。これまで、岡崎、梅田、渋谷、銀座と蔦屋書店まわったけれど、岡崎以外は置いてなかった。この~ カルチュラル・コンビニエンス・クラブめ~ リズムから考えろ~ でも「かわいいウルフ」はありましたね。ほんと凄いな。同人誌だぞ? 面陳だもんなあ。

開店時間直前にユニクロに着いたらアジア系の観光客をのせたバスがユニクロ前にのりつけていた。車体には「Endless Smile」「Dream Catcher」と描いてあって、ハンパない縁起の良さ。たぶん中国人メインなのかな。その観光客グループに混じって開店前の列にならぶ。おれもしょせんはアジア人ということもあってなんの違和感もなかろうと思ったけれど、ひとりだけなんかみなりがみすぼらしいことに気づく。髭ものばしているし。表情もなんか疲れている。まわりは小綺麗で快活な観光客、自分だけくたびれた(しかもズボンの股に穴の空いた)おっさん。どうしようもない。

大きいサイズを探そう、と思ったものの、試着してみたらスリムフィットなんかでないかぎりはふつうに店頭で見かけるXLで十分履けることがわかり、拍子抜けしつつやっすいやっすい投げ売りのパンツを数本買う。

宿に戻ってまた寝る。なにしろ夜には荘子it(from Dos Monos)さんの主宰するパーティでDJである。トップバッターで、やることはあらかた決まっている。いつもはレフトフィールド系のベースミュージックとかフットワーク、ファンキの流れにあるビートが好きでプレイするのだけれど、J-POPをハーフスピードでリバーブとエコーをがんがんにかけて流す、いわば即興Eccojamsをするつもり。でも正直おもしろくなるのかはぜんぜんわからない。

不安とうっすらとした体調不良に苛まれつつ昼下がりをだらだらとまどろみながら過ごしたあと、渋谷Contactに向かう。柳樂光隆さんがサウンドチェックしてたので挨拶。以前OPNのトークイベントに行ったときご挨拶したことがあったのでお会いするのは二度目。さらに大谷能生さんともご挨拶。初対面である。以前ちょっとしたDMのやりとりをしたことはあったのだけれど。

自分のDJ自体は、思ったよりも自分では楽しかったというか、もうちょっと仕込みや機材を工夫するとこれは面白いことできるのでは? という謎の手応えがあった(逆に言うと、「これだけできるならもっとちゃんとやればよかった!」という気持ちもある)。でももうやる機会はないかもなあ。帰ったら試しにミックスつくってアップしてみよう。

各人のDJはいずれも素晴らしく(当然ではあるが)、特に荘子itさんのビートやっぱかっこいいし、改めて聴くとビートの過剰なもつれはちょっとSkweeeを思わせた。あと大谷さんがマッキーのカバーした「Traveling」かけてがんがんに振り付けやっててめちゃくちゃよかった。

メンツがメンツだったということもあり会場はかなりカルチャーみが高く、ふだんは温泉行くかショッピングモール行くか部屋で原稿書いてるかしかしていない自分はカルチャー酔いをしてしまった。なんとなく数人で集合写真をとる流れになったのだが、おれ、小熊俊哉さん、柳樂さん、そして石若駿さんの4人という謎のラインナップ。「え! 石若駿ってあの石若駿じゃん!」と内心思っていた(それを言うと「うわ! 大谷能生だ!」ともずっと思っていた)が、緊張を通り越してはたから見た感じでは平然としていたのではないかと思う。

カルチャー疲労を起こして息も絶え絶えになり、へろへろで宿に戻ってぐたっと寝る。翌日(というのはこれを書いている今日、今夜のことだが)にはblock.fmでtomadとMiiiさんのやっているマルチネ放送室βに出演する予定で、DJプレイもすることになっている。こっちは自分が最近つくっていたエディットを中心にばきばきにテンションの高い感じにするつもり。トークがどうなるかはわからない。公開生放送なんで現場来てもらったらうれしいっす。

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日記

夜にバスで東京に発つ。先月末から隔週くらいのペースでどっか行ってる気がする…… そしてローチケからのメールで12月10日の中村佳穂@新木場STUDIO COASTの予約をしていたことを思い出す。上京の予定が12月にもひとつあるのか。大変だ。

人に会うアポイントをDMでとったり機材を運ぶためのソフトケースをホームセンターに探しに行ったりしていたらあっというまに日が暮れてきている。もうこんなに日が短かったのかと改めて驚く。ホームセンターには思ったようないい感じのケースがなく、結局またダイソーに行った。ホントは自分でつくってしまいたい。DJコントローラーぴったりのケースとか。ヘッドフォンぴったりのポーチとか。ミシンが欲しい。

紙の資料のうち必要そうなものはだいたい片っ端からスマホのカメラでEvernoteに取り込んでいる。年がら年中はやってない。「この記事出先で読みたいけど雑誌まるごとはもってくのだりいな」みたいなやつ。文字が読めれば最低限良いから格安スマホのしょぼいカメラでもいける。Evernote側の補正もまあまあ。表紙と奥付と該当ページを書類スキャンモードで撮影すれば、PCからも読めるしケータイからでも参照できる。スキャナにかけるのはめんどくさいよ。でも自炊用にページフィーダーのついてるドキュメントスキャナはあったほうがいいのかなと最近思っている。

DJの練習をしながら、やっぱDJ楽しいしいっぱいやりたいな、と思う。延々オールドスクールなダブステップやグライム、フットワーク、レフトフィールドベースなどをかけたりとかしたい。今度ミックス録ろうかな。Bandcampでちょくちょく音源買っている。でもディグが浅くてあんまりいい感じのライブラリにはなっていない。もっと貪欲でありたい!

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日記

二度寝から目覚めて「これは温泉ですね」と思い温泉に向かう。温冷浴とサウナをやってすっかり温まり最高のやつになった。そのあとラーメンを食べた。

山形はラーメンの消費量が全国でもトップクラスらしい。なにせ夏にもラーメンを食べたいというので冷やしラーメンまでつくってしまった。ご当地グルメであると同時に地元の人にわりと親しまれているメニューである。基本的にはしょうゆベースで縮れ麺の町中華的なラーメンが多い。変わり種だとつけ麺がなんだか酸っぱいスープでいただくようになっているところがある。冷麺みたいな感じで悪くない。

そいできょう食べたラーメンは山形っぽい鶏がらしょうゆではなく豚骨しょうゆ。こってりしたのが食べたいと思った。けれどもたとえば家系であるとか京都の濃い味の奴とか長浜ラーメンみたいなんとは違ってあまりパンチがない。リピートしたくなる味で良いのだけれどラーメンの嗜好が京都時代に固まってしまったこともあり天一とまでは言わないががっつりしたスープのラーメンが食べたいなと思ってしまう。となると二郎インスパイアを扱うローカルチェーンがやはり安パイか。家から近いのもあってまずそこに行ってしまう。でもラーメンなんか高い食い物でもないしいろんな店のを食べてみたい。

m-floのTaku Takahashiさんがツイートで拙著に言及していてビビる。思わずリプする。みんなリズムから考えてるか? おれは考えてる。一応な。販促ツイートをサボっていたけどもっとちゃんとやったほうがいいのかもしれない。でもツイートって意外と面倒なんだよ。思考の赴くままだらだら書くにはいいんだけど「伝えるぞ!」と思って必要な情報を字数に収めるのってだるい。まあ固定ツイートを定期的にRTするだけでも違うんだろうけど。

考え事をしながら荷物のパッキングをする。最近他所に数泊する用事が多くて大変だ。出先でも原稿を延々書いている。ゲラも見ないといけないし。うわーん。温泉行ってる場合か? と思われるかもしれないがそうでもしないと身体がもちません。

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日記

きょうは昼まで寝た。ずっと3,4時間くらいしか夜眠れない生活が続いていたので、「あれ、ようやく眠れる?!」と思うと貧乏性が出てたくさん寝てしまう。しかし基本的に寝れば寝るほど健康にはなるし仕事の能率も上がるので悪くない。むしろもっと寝ていきたい。目指せ8時間連続睡眠。泥のように眠りたい(熱中症で倒れたときでさえ、っていうかそういう体調だったからこそかもしれないが、こまぎれに数時間しか寝れなかった)。

ここ数日、なんだかスーパーでアボカドが安かったこともあり、ワカモレをつくりタコライスを食べている。ワカモレというにはトマトの比率が高い上にフレッシュトマトじゃなくてダイストマトのジュース漬けなのでなんかやたら汁の多いサルサにちょいとアボカドが入っているみたいな見た目。でもまあ、おいしいのでいい。

ところでタコライスでもなんでもそうなのだけれどトッピングでシュレッドチーズがほしいなというときに世のスーパーには「とろけないシュレッドチーズ」があまりにも少ないことにどうしても不満を覚える。これはワタシが田舎に住んでいるのがよくないのでしょうか。チーズといやあどいつもこいつも得意げに「とろけます」というけれど、欲しいのはとろけないふつーのチーズなのだ。チェダーでもゴーダでもモッツァレラでもいいからふつうにシュレッドしてあるチーズをおいといてくれ。まあ気にしないで加熱用のチーズを加熱せずに食べてもいいのだろうけれど……。そもそもおいしいチーズに出会うことが困難ということもある。

出版社と電話で打ち合わせ。拙著に動きがある。来週東京に行く際にさらに打ち合わせもあり。9月末から10月の前半にかけてでかなり忙しくプロモーションで動き回った感があるのだけれどまだまだだろう。もし東京近郊に住んでいたらもっと忙しかった可能性もある……。

というわけで10月20日(日)から24日(木)まで東京に滞在する。締め切りがいくつかこの滞在にだだかぶっているけれど家で資料をまとめておけば書けるはずなので大丈夫。きっと。20日は大宮まで「大宮でもカワイイ」に行き、そのままダッシュで渋谷に戻ってDJ Clentを見る。見れるのか? 入れるのかなあ。少なくともラスト一時間は見れるんじゃないかってペース。入れへんかったら泣く。

ほかになんかおもしろいもんないんかと思っていたら、□□□の三浦さんが音楽を手掛ける櫻井香純さんのダンス公演がある。これは見といたほうがいいだろうと思い予約した。櫻井さんといえば以前三浦さんと一緒に餃子食った、そういえば。覚えてはるかな~と思ったらTwitterフォローされており(そういえばその日アカウントの話した)、むしろこっちのほうが不義理くらいの勢いであった。っていうかそんな昔の話でもないや。今度本出るんすよって話したもんなその日。

サブウーファーが欲しい。やはり、20Hz台が十分感じれるくらいの環境にしたいじゃないですか。ほんとにそんなばきばきに音だしたら家族にしばかれると思いますが。いまモニタースピーカーがHS5なので、これにHS8Sを足すとなんとフィニアス・オコネルのモニター環境と同じになる。つまりビリー・アイリッシュのサウンドが生まれたスタジオとハードだけ見れば同じになる。いまもそうなのかは知らないが少なくとも『When We All Fall Asleep…』まではこれのはず。ちなみにHS5は別にそこまでハイエンドなスピーカーというわけではない。けども買ったのがクソほど無職でお金がまったくなかったときなので「めちゃくちゃいいスピーカーをふんぱつして買った」くらいの気持ちでいた。まあいまもお金はないのだが……。鳴りの気持ちよさだけでいうとiLoud Micro Monitorのほうがいいかもしれない。カタログスペックではわからないこの「気持ちよさ」、大事にしていきたいですね。

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日記

朝起きるとなんか体調が不穏。これは寝たほうがいい、と二度寝して起きたら身体がばっきばきに痛くてちょっと熱っぽい。頭痛もほんのりする。やべーな、と思って、悪くなりすぎないうちにドラッグストアにかけこんで葛根湯とチョコラBBハイパーと粉末のスポドリを買い込んでくる。スポドリ粉末コスパいいしペットボトル買わなくていいし最高じゃん。とか思った。

帰宅してなんとかなるだろうとほっとした途端に急激に体調が悪化して凄まじい頭痛に。こういう場合レンチンで蒸しタオルをつくって眼を温める(ある種の頭痛にはかえってよくないらしい)。すると一瞬痛みが和らぐのでそのスキに寝るのだ。しかし体力回復のために寝るのではなくて意識を飛ばして痛みとの闘いを睡眠時の自分にアウトソースしているだけなので、あほほど体力は削られる。お昼ごはんを食べる余裕もなく昼から夕方まで潰した。あ、グリーンスムージーは飲んだ。

夕方に活動再開、とはいえなんか本気の書き物とか読み物することもできなくてSpotifyで新譜をちょっとチェックしたりSoundCloudのストリームをチェックしたりGEOで借りていたCDをリップしたり。なんか自分のライブラリを確認したら昔持ってたハズのデータが結構ごっそりなくなっていて手に入る範囲で復元しだしている。

おげんさんといっしょ。良かった。取り上げられている音楽について知ってる人は「お、こんな話してんじゃん」となるし、そこまで知らん人もなんか楽しそうに話してるし良い音楽が鳴ってるなあと見る。この多層性がいいんじゃんと思ったりする。ハイブロウな内容を噛み砕いてわかりやすく、である必要は別にない。見た人すべてが同じものをきちんと受け取る必要は実はない。「わかんないけどいいじゃん」と「ああ、これこうなってんじゃん」がいろんな場所にいろんなかたちで混じり合うのでいいのだ。数日後、数年後、数十年後、「ああ、あれってこういう意味だったんだ」となるのでもよい。そのように種をまくのがカルチャーであって、「教えてやろう、啓蒙してやろう」というアティチュードが見えたらちょっと引く。TVバラエティのフォーマットに徹し(アドリブ含めてちょいグダる感じとか、楽屋落ちを匂わせるところまで含めて)、そのなかにグッドミュージックが埋め込まれている、この贅沢さがおげんさんといっしょの美点。であり、星野源がおそらくは意識的にやっていることだろう。

それに対して、これあんまり言ってもなあと思うのだがサカナクションの山口一郎がEテレでやった「シュガー&シュガー」はほんと嫌で、ハイブロウだと山口が思っていることを、視聴者のレベルを勝手に想定して「噛み砕く」感じ(あるいはあえて「置いていく」感じ)が、視聴者のこと信頼してないじゃん、とがっくりしてしまった。噛み砕くにしてもEテレといったら噛み砕きの真髄を年がら年中やってるような局だ。「デザインあ」とか「にほんごであそぼ」とか「ピタゴラスイッチ」とかもろもろ。そういう蓄積があったうえで、実験的といってああいうぬるい、ぬるい割になんか「わざわざ目線下げてます」みたいなポーズが丸見えの番組やられると、なめんなよ、となる。あんまりぐったりしてしまったので2回めは実は見ていない。ごめんね。

あるいは「関ジャム完全燃SHOW」なんかはまあたまに見たりもするけれど、音楽番組をTVバラエティというパッケージに落とし込まざるをえない困難さがやはりある。ひな壇にタレントをおいて賑やかしにコメントをさせて、その賑やかさであたかも「わかりやすい、親しみやすい」かのように装う。あんまりよくないと思う。じゃあガチでレクチャーしたらいいのかっていうのはそれもまた違うしね。その点で、あえてやや大時代なコント番組、シットコム的なフォーマットを愚直に守る、いまどき珍しいタイプの「テレビノリ」を貫いているおげんさんの巧さというのはやはり感じる(ま、それをいけすかんと思う人も一定数いるだろうが……)。

とめちゃくちゃ絶賛しているみたいなことを書いてしまったけれど、けっきょく昨日のおげんさんを神回たらしめたのはPUNPEEのPUNPEE力に尽きる。かっこいーよ。

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日記

消費税増税のせいか台風のせいか知らないけれどひさしぶりにちょっと抑うつ状態になってきている。とても嫌いなことがある。玄関のベルをとても早く鳴らす人。くわしい機構は知らないもののおそらくうちのベルは押すと「ピン」離すと「ポン」となる。昔住んでいたアパートもそうだったと思う。そこで「ピン、ポン」と鳴らす人のことは好きだ。しかし「ピポン」と鳴らす人のことは実はとても嫌いだ。自分と根本的なテンポ感が合わない。きっとひとつひとつの所作が持つスピード感がいずれも自分と合わないだろう。

最近加速だ減速だみたいな話をみんなよくする。しかしよくわからないのは速度を上げるにせよ下げるにせよひとつの方向を共有していなければならないはずだ。東に100km/hの速度で進みながら西に100km/hの速度で弾丸を放ったら、いずれの運動とも関係のない点から観測した弾丸の速度は0だ。あるいはそのように正反対でなくとも世の中にはさまざまな運動がさまざまな方向へと展開しているのだからそれらの運動が持つ速度を相殺したらどうなるだろう。0に近づくとは言わないしもしかしたらひとつの傾向が見いだせるかもしれない。そのように留保したところで結局世の中で加速だ減速だと言われているのは多様な諸速度のうちひとつの速度を特権的に取り上げているに過ぎないのではないか。ドゥルーズとガタリが内在平面のうえに走らせる諸々の速度はまさに多様なベクトルを持っているのではないのか(そのようなことばづかいをしたかはともかく)。あるいは「地層」というアイデアだって加速したり減速したりできる単一の速度の体系、すなわち目的論的なリニアな思考を相対化する重要な道具立てなんじゃないのか。あたかも世の中がひとつの速度に支配されているかのようにあれやこれやを語るのはクソほど傲慢で吐き気がする。

本が出た。本が出てトークイベントもやった(気づいたら3つやってて、合計すると6時間くらい本について喋った)。けれど本が世に出ることによってかえって自分がなにをしている人かわからなくなってきた。とても居心地が悪い。「J-POP好きなんですか」と言われても「別に……」だし。楽理をやったわけでもないし。ライターとして訓練を受けたわけでもなく。いわゆる「音楽好き」でもなければ、音楽好きの類がやたら目の敵にする「ファン」でもない。基本的にはめちゃくちゃ怠惰な人間だ。ただ強いていえば「書く」とか「考える」は割と好きなのだ。とか言うと「自分の商売のだしに音楽をつかってる奴」みたいに思う人も、まあ、いるんでしょう。などと無意味な想像をして勝手にいらつくのはやめたほうがいいか。

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『リズムから考えるJ-POP史』刊行記念、関西ツアー日記

10月5日(土)

19時半~京都は出町商店街の出町座にて『リズムから考えるJ-POP史』刊行記念トーク。関西ソーカル主宰の神野龍一さんを聞き手に1時間半しゃべる。Traktorで音出ししつつホワイトボードに図示しつつがんばった。

導入として、神野さんから「音楽批評の四象限」があるとして拙著がどんな位置にあるか、という話をしてもらう。「プロ‐アマ(個人的には「つくる‐聴く」かなと思ったが)」と「データ‐印象(「データ」には楽曲の構造分析も含む)」の2軸を交差させて整理するのは結構すっきりかも。拙著は割と両軸の真ん中にあるかも? みたいな指摘。

話を渡してもらってこちらからのプレゼンテーション。宇多田ヒカル「誓い」をはじめとする2018年リリースの邦楽に登場するポリリズムを紹介。ついで、MISIA「つつみ込むように…」を例に和製R&Bとヒップホップソウル、ティンバランド以降のチキチキサウンドについて話す。小田和正「ラブ・ストーリーは突然に」における四分三連と付点八分の連続性とトラップ以降の三連符を比較する。などなど。まあ拙著で書いていることを実際に音源聴いて確かめてみよう、みたいな感じでした。

30人くらい? 入ったのかな。トーク後の手売りではなんと18冊も売れてしまった。言うて売れても最大で8冊とかそんくらいか、と思っていたのでビビった。そのおかげで翌日のOtohatobaに持っていける在庫がたったの2冊に……。嬉しい誤算。しかしとりかえしようがない。どーすんだろこれ? と思いながら会場を後にする。

tofubeatsから刊行祝いにもらったiLoud Micro Monitorを持ち込んで鳴らしてみたところ、めちゃくちゃいい感じでした。学校の教室よりこころもち狭い? くらいのスペースで、サブベースとは言わないまでも重低音をかっちり鳴らせていて、すごかった。

10月6日(日)

さて翌日はOtohatoba。Otohatobaは行ってみたかったスポット(やはりYu-Koh体験版の様子など伺うとね)だったしイベントの開催を提案していただけただけで嬉しかった。拙著を口実にして日曜の昼間にJ-POPを聴きながらいろいろおしゃべり、みたいな感じがかえって心地よさそうで、3時間の長丁場もゆったりいけるでしょ、とゆるふわアプローチで当日に臨む。

しかしここでまたしても嬉しい誤算、ワタシのほかに登壇してくださったtsudio studioさん、酒井匠さん、推しに推して入るプッシュさんがかなり拙著の内容について突っ込んだ話を深堀りしてくださって、こっちもなんか熱が入ってしまい、がんっがんに3時間喋り通す結果に。出町座でのトークとかけた曲とかはだいたい同じなんですが、拙著の音楽的な内容だけでなく広く比較文化論的というか社会論的な話もできてすごーく楽しかったです。

ここに持ち込んだ残りの在庫2冊も売れてしまったので手売り用に出版社から仕入れた在庫は全部はけてしまった。どーしたらよいのだろうか。。。

雑感

この滞在中に大きな書店をまわってきたんですがだいたい入荷していてなんなら面陳か平積み。マジでビビる。恐縮っすわ……。自分の本が書店に並んでるってすげー変な感じですね。本になってるだけでめっちゃ妙なのに。売れてくれ~ッ

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【お知らせ】10月5日(土)『リズムから考えるJ-POP史』刊行記念イベント ~J-POPのリズムを分析する〜 @ CAVA BOOKS(出町座フリースペース)

関西でも『リズムから考えるJ-POP史』刊行記念イベントの開催が決まりました。その名も「『リズムから考えるJ-POP史』刊行記念イベント ~J-POPのリズムを分析する〜」10月5日(土)19:30~京都出町座フリースペースにて。関西ソーカル主宰の神野龍一(@shen1oong)さんのサポートをいただき、本書の内容について突っ込んだトークができればなーと思います。東京でのtofubeatsトークは本の内容に触れつつ放談という感じになりそうですが、京都でのトークはもうちょい理屈っぽい話になるかもしれません。開催日の時点ですでに発売はされていますが、いくらかこちらで持っていくつもりです。参加費は500円、要予約です(こちらのフォームから申し込みをお願いします。)。

『リズムから考えるJ-POP史』刊行記念イベント ~J-POPのリズムを分析する〜

10月5日(土)
出演:imdkm、神野龍一
会場:出町座フリースペース 京都市上京区三芳町133
開場:19:15/開演19:30(21:30終演予定)
参加費:500円
要予約、Googleフォームよりお申し込みください。

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【お知らせ】9月25日(水)『リズムから考えるJ-POP史』刊行記念トークイベント@渋谷ユーロライブ w/ tofubeats

私の単著『リズムから考えるJ-POP史』(blueprintより10月3日(木)刊、全国書店のほかAmazonで予約可の刊行記念イベントとして、本書に解説文を寄せてくれたtofubeatsとのトークを開催します。9月25日(水)19時~、ところは渋谷ユーロライブ前売1,500円/当日2,000円。と「がっつり金とるんかい!」という感じになってますが、本書の内容を踏まえたうえで、あるいは思いきって逸脱して、まあなんとかお代をいただくぶんは実のある話をできればと思っています。話が達者な(そして解説文もまっとうに書いてくれた)tofubeatsが相手ということで、ダダスベりという事態にだけは陥らないでしょうが……。現在考え中。

ちなみに、当日は書籍の先行販売もします。なんと一週間以上早く! ゲットできる! ちなみにチケット代とは別だぜ!(すまんな)

『リズムから考えるJ-POP史』刊行記念トークイベント

9月25日(水)
出演:tofubeats、imdkm
会場:ユーロライブ 渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 2F
開場19:00/開演19:30(21:00終演予定)
チケット(前売)1,500円/チケット(当日)2,000円
前売チケットの購入はPeatix(要会員登録)、もしくはGoogleフォームから予約も可。

これは計画中ですが関西でもイベント打てたらな~と思ってます。割と告知急になる可能性あるので関西圏のかたよろしくです……。

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初の単著『リズムから考えるJ-POP史』(blueprint刊)のお知らせ

 わたくしimdkm(イミヂクモ)の単著『リズムから考えるJ-POP史』が10月に発売になります。3日には書店に並ぶようです。

imdkm『リズムから考えるJ-POP史』
blueprintより2019年10月3日(木)発売
四六判・二百六十四頁、1,800円+税
全国書店、もしくはAmazonにて予約受付中

 この本はRealSoundで連載していた同名の企画「リズムから考えるJ-POP史」をもとにしたもので、1989年を起点とするJ-POPの歩みを「リズム」という観点から考察する内容になっています。

 重要なポイントで登場してくるミュージシャンをざっと挙げてみると、折坂悠太、cero、星野源、宇多田ヒカル、trf(小室哲哉)、MISIA、m-flo、capsule(中田ヤスタカ)、ASIAN KUNG-FU GENERATION、Base Ball Bear、DOPING PANDA、KOHH、BES、S.L.A.C.K.(現5lack)、DA PUMP、RADIOFISH、サカナクション、UNISON SQUARE GARDEN、宇多田ヒカル、三浦大知…… とまあ、他にもいろいろ出てくるんですが、いわゆる「J-POPの30年がまるわかり!」みたいな本ではぜんぜんないです。あくまで、「このリズムヤバいよね」とか「このリズムってなんだったんだろうね」みたいな発想ありきなので。とはいえ、内容を読むとある程度クロノロジカルにトピックが並んでいるのもわかっていただけると思います。

 どんな話してんの? って言われたらまあ連載をチェックしてみて欲しいところ、しかしよい動画を以前アップロードしていたのを思い出しました。

 まあこういう話を延々一冊やってるようなもんだと思ってください。そうとも限らないですがまあ……。

 とはいえ、一点注意しておきたいところに、リズムといってもいろんなリズムがある、ということ。ドラムやパーカッションが奏でるリズム(ここにベースも加えていわゆる「リズム隊」というのがいわゆる音楽におけるリズム像の定番でしょう)、メロディがつくりだすリズム、あるいは各パートのアンサンブルのなかに浮かび上がってくるリズム、ジャンルに固有のパターン(4つ打ちとか2stepとかね)、時代に固有のパターン……等々、リズムという概念が指すところはさまざまです。この本はある意味で音楽におけるリズムが持つこのあいまいさに思いっきりよっかかっています。でもそれでいいんだ、と思って書きました。なんですかね、時間の感覚を司るものは全部リズムです。極論。

 そのあたりの思いは「あとがき」にも書いたので、まあ、読んでくれッて感じです。

 いつか理論的に整理して…みたいな仕事もできたらいいんでしょうが、そんなん一生モンですよね。本書でも度々参照している佐藤利明『ニッポンのうたはどう変わったか 増補改訂 J-POP進化論』(平凡社ライブラリー、2019年)や、同書で理論的枠組として採用されているピーター・ファン=デル・マーヴェ著・中村とうよう訳 『ポピュラー音楽の基礎理論』(ミュージック・マガジン、1999年)みたいな偉大な仕事であったり、あるいは小泉文夫の歌謡曲論とか、膨大な蓄積を前にして呆然とするばかりですな……。

 そういえば、なんかtofubeatsに解説文を書いてもらってるんですが、これが結構よくて、あの人もっとこういうこと書きゃいいのにと思いました。頼んでみるもんですね。トーフファンの人も必読です。こないだ彼の事務所にお邪魔したときも面白い意見がけっこう飛び出してきました。9月25日に予定されているトークイベントではそんな話もできたらいいなーと思ってます。

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