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imdkm.com 投稿

𝐆𝐎𝐎𝐃 𝐈𝐍𝐓𝐄𝐑𝐍𝐄𝐓 002 2024-05-06

第一・三日曜日は𝐆𝐎𝐎𝐃 𝐈𝐍𝐓𝐄𝐑𝐍𝐄𝐓のつもりでしたが忘れていた。月曜になってしまった。

MiniPCってどうなのか『MINISFORUM NAB9』レビュー

ガジェット系YouTuberで最近よく見ているヨシダ・ザ・ムービー。エミュ機気になるなぁと思って見出したらおもしろくて定期的に見ている。まだエミュ機は買ってない。というわけでこの動画がどうこうというよりヨシダ・ザ・ムービーがいいよねという話。どうでもいいけど手タレかというレベルで手がきれいですごい。おれもハンドクリームとか塗ったらいいのか。でもクリームパンみたいな手(デブ特有の手)なのでそもそも形が……。どうでもいいな。

How to play Post-Punk bass in 1 minute

ポスト・パンクっぽいベースラインの弾き方。こういうのはなんぼあってもいいですからね。ピーター・フック版もあり。

Dave Clarke interview “A lot of records offended people in weird ways; how did they get that sound?”

Dave Clarkeのインタビュー、含蓄がありまくる。Clarkeは最近代表作のリイシューしたばかりなのでそのタイミングもあってだろう(っていうか詳細欄に書いてあるね)。

かっけぇな。

デッドライン症候群

TikTokで流れてきてからずっとハマっているのだがフルバージョンまだ出ない。配信もない。はやくして~。ショートでデモたくさんあげてて、バズったのから出していく感じかとおもうけれど、まあそういう打算的な感じも含めていいじゃあないですか。音源出すまえの和ぬかみたいな感じがする。

【虹歴史】売れないラッパー、活動10年を振り返る

田島ハルコさんの自己紹介動画。なんとなく知ってたけどラッパー以後の活動しかはっきり知らないなと思っていたのでためになった(ためになった?)。

RITMADINHA DO MARIO – MC BN, MC BF e DJ Yuzak (Clipe Oficial)

なにも隠そうとしない、むしろ喧嘩売ってるまである大ネタ(とか伏せる意味ないのだが)バイレファンキ。曲自体がどうこうという感じでもないのだが、その反応を見て、「任天堂に怒られろw」みたいなノリは海外にもあるんだな……と思った。

【見学レポ】京都の古い家、京町家の実態!その生活と建築様式をサクッと解説【ずんだもん&四国めたん解説】

いつもは安宿レビュー動画をアップしているずんだハウスにはたまにガチ建築回があり、沢田マンション蟻鱒鳶ルがこれまで取り上げられている。こないだは京の町家を見学する教養回だった。

第三の意味 : 映像と演劇と音楽と(国立国会図書館デジタルコレクション)

国立国会図書館のデジタルコレクションを見てみたら、バルトの「声のきめ」ほか音楽論がまとまっている『第三の意味』が読めるようになっていた。読書会しますか?(誰にいってんだ?)

Rework with 「可愛くてごめん」

はにわの大ヒット「可愛くてごめん」のパラデータをTuneCoreがRework withシリーズの企画で配布。リミックスとかすると無料で配信リリースできるらしい。こういうパラデータはとりあえずダウンロードしておく貧乏性。なにかつくろうかな……。

【012】HAPPENING|getonthefloor

高野雀さんがnoteで連載していた“DJとかミュージシャンとかではない『プレイヤー側ではない人』の音楽遍歴”をテーマにしたインタビュー企画が最終回。まえだみみさんが登場してあまりにも堂々としたエピソードを披露しまくっていて味が濃い。”「羊水からサブカルやったんですよ。私産まれてきた時に、首にへその緒二重に巻き付けて産まれてきて、生まれた時からアングラパフォーマンス」”はすごすぎる。命がけのエピソードトークじゃん。このシリーズは四日市さんの回もすごいかっこよかった。

ここ最近はあまりいいインターネットができなかった。ウェブメディアもあんまり読んでいないし。読書してるわけでもなし。じゃあなにやってんだろうおれは。うーむ……。

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日曜日のプレイリスト 010 2024-04-28

すいません、今回はコメント省エネモードです。ただ曲数は20曲あるよ。

RIIZE – Impossible

RIIZE、Get A Guitarはめちゃ好きだったもののそれ以降はさほど刺さらず、ただ突然ナイスなハウスチューンを出してきておれはとてもうれしい。ハウシーなK-POPはなんぼあってもいいですからね。

Kep1er – Straight Line

Kep1erの日本でのアルバムからのシングルカットですが、ゼロ年代からアーリー2010sのJ/K-POPの記憶がくすぐられるめまぐるしい1曲で、ここに来て花火上がったな~みたいな気持ちに。哀愁あふれるアコギのカットアップから「ズキュズキュズキュズキュ」ってイントロですでに泣ける。

ME:I – Sugar Bomb

「Click」でME:Iええやん! となっていたらカップリングもフューチャーガラージの向こうにゼロ年代エレクトロニカの幻影が透けて見えるみたいな質感がめちゃくちゃ素晴らしい。ちょっとLuomo(Vladislav Delayのハウス名義)とかああいう感じというか。

春野, TAKU INOUE – Spring Has Come

春野とTAKU INOUEのコラボ。これほど俺得なことがあるだろうか(反語)。楽曲の展開や細かいトランジション(音の抜き差しや大胆なドラムサンプルの挿入)がイノタク印で大満足。

in the blue shirt – Place for Us

リリース活発なin the blue shirtの新EPから一曲。ソウル・シンガー、というか伝道師の説教みたいなヴォーカル・サンプルのアツさと多幸感あふれるコード感と割とまるっこくキュートなサウンドの対比がすごく好きです。

斉藤朱夏 – 離れないで

声優アーティストのネオシティポップ系バラードでこんなに充実した鳴りの曲ってマジで少なくないですか? ステレオ感がきちんとゆったりあって、音数少ないけどすかすか感なくて。中盤から遠くでたっぷりのリバーブで鳴るパッド的なSEもちょっとシネマティックで良い。

亜咲花 – So Prescious

ゆるキャン△第3期のエンディング曲ですが、歌唱が亜咲花で作詞・作編曲が佐々木恵梨、そして歌いだしが「SHINY DAYS」というのはもう「最終回」なのよ。ミッドテンポのソウルマナーのバラードとしてもクオリティ高い。

Alice Glass, Jupiter io – Drown

Alice GlassによるSmashing Pumpkinsのカヴァー。歪んだビートとリフレインでミニマルに再構築した誇張されたオルタナでとても良い。etherealな美学いまだ死なず、的な……。

JEWELSSEA – Glimmers & Gallops

フィラデルフィアのプロデューサー、JEWELSSEAはこないだ2月にアルバム出したばかりなのだが早くもEPが。3曲まとめて1曲、みたいな構成なので通して聴いてほしいけれどここでは2曲目の軽快なリズムが心地よいこの曲で。サンプルとループを軸としながらも反復の(ダンス・ミュージック的な)快楽にはいかずに細かなリズムとハーモニックなテクスチャで聴かせる感じがとても良い。

Kaho Matsui – you don’t have to tell me the rest

Twitterでたまたまアルバムのteaserが流れてきて気になり、リリースされた同作を聴いたらとてもよかった。フィラデルフィアのコンポーザーでマルチ奏者のKaho Matsui。ギター弾き語りとエレクトロニクスで編まれたアンビエント的な歌モノ、というとClaire Rousayのsentimentと並べてもいい感じかもしれない。でもサウンドのレイヤーがノンシャランとしつつも奥行きのあるこちらのほうが個人的には好き。

Salami Rose Joe Louis, Flanafi – The Severity

Salami Rose Joe LouisとFlanafi(Simon Martinez)のコラボアルバム『Sarah』より。コードや楽曲構成にはSalami Rose Joe Louisらしさとコラボのシナジーを感じる一方、この曲のフォーキーな感じはSimon Martinezのカラーかしら。あんま自分の曲でやらなさそうなメロだと思う。でもFlanafiのこれまでの作品を聴くと、このふたりのコラボならむしろもっとローファイでベッドルーム・ポップな感じに仕上がりそうなのに、すごい突飛なミクスチャー感があって不思議。いや不案内で申し訳ないですが。

samayuzame – シンデレラ・コンプレックス

前のシングルも取り上げたけれど、今回は濃密な展開とメロのキャッチーさ(怒られそうな言い方だけれどTikTokでバズっててもよさそうな)、あるいは曲調やアートワークはサブカル的な意匠を思わせつつストレートな異議申し立てになっている歌詞といったバランスの巧みさがすごく光る1曲。

頓知気さきな – どうしよっかな

柴田聡子提供曲。『Your Favorite Things』では影を潜めた口語的ではずむように展開していく言葉とメロディの魅力があふれていて、頓知気さきなの力みをかんじさせないヴォーカル(アウトロかわいすぎる)も素晴らしい。

北村蕗 – 櫻

北村さん最大の強みといっていいヴォーカルを極限まで駆使したようなインパクト大の新曲。幾重にも折り重なる多重録音によるコーラスワークに、拍子感覚を自在にとろけさせていくアレンジの緻密さに圧倒される。

VHOOR – Igrejinha

これまでも結構推してるベロ・オリゾンテのプロデューサー、VHOORのアルバムより。ミニマルさを極めたクールなビートはVHOORのディスコグラフィのなかでも結構一線を画すスタイルで、もはやビートレスに近いアトモスフェリックなサウンドのなかにファンキの残像が見えるみたいなドープなビートにビビる。特にそれが極まってるのがこの曲。同じくベロ・オリゾンテのプロデューサー、DJ Anderson do ParaísoのNyege Nyege Tapesからのアルバムと並べて聴いてもいいかも。

SAM MORTON, Equiknoxx – Cry Without End – Equiknoxx Remix, part 1

俳優、サマンサ・モートンのシングルをEquiknoxxがリミックス。めちゃくちゃウォームなメロディに対して脱構築されたダンスホールでアンビエントに接近するこのクールさは、一昨年のEla MinusとDJ Pythonのコラボを思い出すような中毒性あり、素晴らしいです。

Mxshi Mo, Scratcha DVA, Sola – Grind

南アフリカはピーターマリッツバーグのプロデューサー、Mxshi MoとロンドンのプロデューサーScratcha DVA、同じくロンドンのシンガーSolaのコラボ作。Mxshi MoとScracha DVA(Scratchclert)はこれまでもコラボ曲があり、Gqomを軸に南アとUKのビート交流を行ってきていたけれども、今回の曲はGqomのダークさのなかにレゲエのフィーリングを取り入れた渋いヴォーカルチューンでかなりかっこいいっす。

Sega Bodega – Adulter8

てっきりSega Bodegaの新譜は5月に出るもんだと勘違いしていて「アルバム出てんじゃねえか!」とビビったんですが、良かったです。やっぱり『Romeo』はビートにこめたジャンル的意匠が少し浮いてた気がするんだけれど今作はすごくスムースだと思う。言うてElk Skin大好き~みたいになっちゃうものの、ビートパターンがモーフィングしていくのにあわせてアシッドベースが浮かんでは消えていくこの曲も展開がちょうかっこいい。

valknee – Over Sea

valkneeのアルバム『Ordinary』よかったっすね。私見ながら、とびきり親密な呼びかけでありつつものすごい開かれを感じる「Over Sea」がベストトラックでござんしょう。

Wu-Lu – Sinner

スプリング・リバーブのぴちゃぴちゃした響き、トリップホップへつながっていくようなポスト・パンク的なリズム隊。さりげなく登場して緊張感を与えるストリングス(あそこのリズムのアレンジもいいっすねぇ~)。なんでWu-Luこんなに琴線に触れるの! って思って因数分解するとそりゃ好きだわ……となる。こんな感じだけどシンガロングできそうなメロなのもいいよ。5月のEPのリリースが楽しみ!

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𝐆𝐎𝐎𝐃 𝐈𝐍𝐓𝐄𝐑𝐍𝐄𝐓 001 2024-04-21

青井タイル&ツナミノユウの漫画『女甲冑騎士さんとぼく』の一コマ。登場人物たちが「それに引き換え俺たちは… 日々無為なインターネットを…」と打ちひしがれている。
ほぼ実話モノマネ『秋葉原で見た嘘みたいなオタク』

芸人森本サイダーのモノマネシリーズ。何度も見てる。こんな友達がほしい。最後の一言が信じられないくらい良い。

鳥取の前衛芸術家集団スペース・プラン(1968-1977)

日本の戦後前衛のイメージをちょっと変えるような、鳥取の芸術家集団の活動をまとめた動画(スペース・プランについてはこの動画の企画者である筒井宏樹がモノグラフを著している)。

高速で「よ」を連呼する2人ですが本質はそこではありません。(オードリーさん、ぜひ会ってほしい人がいるんです。)

インターネットじゃないじゃん。でもYouTubeだからあり。オドぜひ版「夜明けのすべて」かもしれない。全然違うかもしれない。

Nelly – Hot in herre (QY70 cover, piano tutorial)

NellyのHot in herreをYAMAHAの名機QY70でカバー。脱力系のイラストがかわいい。でも多分音声が逆相かなにかになってる。

アメリカ、日食狂想曲!

Saku Yanagawaが最近始めたYouTube動画シリーズ、いい温度感で見てしまう(町山智浩がラジオでやるアメリカ事情紹介みたいなのを思い出したり)。

Columns ♯5:いまブルース・スプリングスティーンを聴く | ele-king

ele-kingで最近野田努さんが書いてるコラムの連載、どれも良い。「Columns ♯3:ピッチフォーク買収騒ぎについて | ele-king」も良かった。

@jinsei_chan2 焼き芋を買い置きするシチュエーションないしね #自炊 ♬ オリジナル楽曲 – jinsei_chan2

身体に悪そうなものばっかりつくって食ってるTikToker。動画の雰囲気はしゅっとしてるしだいたいうまそうだけどジャンルはバシャウマと同じだと思う。

バシャウマ自炊日記総集編⑪

みんなだいすきバシャウマグルメ。

八戸市美術館の館銘板 「美」の字のみ館長手製の発泡スチロール製に – 八戸経済新聞

美を失う美術館。寓話かなんかか。雪解けが美をもたらしてくれるという期待。偶然の詩情(アクシデンタルポエジー)じゃん。

幼い頃から消費文化に浸りきった自分の美意識に葛藤しつつ、そうしたキッチュを拒絶するのでもなく、キッチュとアイロニカルに戯れる(キャンプ的な?)のでもなく、キッチュのなかにもホンモノは宿るのではないか、キッチュを換骨奪胎することでキッチュに抗う興味深いものがつくれるのでないか……という可能性を信じようとするIglooghost。いい文章だけど読みづらい(OCRにかけて読んだ)。

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Numark PT01(ポータブルレコードプレイヤー)のベルトを交換する

この記事はAmazonアフィリエイトリンクを含みます。

レコード再生環境がしばらくなかったので、以前使っていてお気に入りだったNumark PT01を1,2年前に購入しなおした。そこまで使用頻度も高くなく適当にほっておいたのだが、MPC500を購入したのを期にいろいろサンプリングして遊んでみることに。

Numark スクラッチ・ターンテーブル スピーカー内蔵 乾電池対応 PT01 Scratch

(買ったのは中古の初代PT01ですが、数年前から同じモデルがアップグレードされてポータブルスクラッチ向けの機種になっていますね)

しかし、再生時の回転ムラがひどく、ピッチがうねうね動いてしまう。どうしたものかと思ったら、仕様さえ合えば市販のベルトに交換してしまえばいいらしい。

ion iPT01試聴記 (studio.jpn.org)

調べていると、上記のWebページに、PT01と事実上同じモデルでは、全長30cm(半分で15cm)のベルトであれば大丈夫だったという記述があった。Amazonで汎用のターンテーブル用ベルトを購入し、換装してみた。

ターンテーブルのプラッターを留めている金具をマイナスドライバで外す。

ベルト発見。

だるだるやないか。そりゃ駄目になるわ。

交換はすこしコツがいるのだが、なんかもう、気合でやりましょう。YouTubeみるとPT01 Scratchについては賢いやり方があるようだけれど、PT01でもできるかは謎(カスタムプラッターじゃないとできなさそう)。

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ほぼジャンク扱いで買ったBOSS Dr.Rhythm DR-660を修理する

アボかどさんに、メンフィスラップで使われていたギアを紹介する記事を教えてもらった。

How Memphis Rap Was Produced In The 90s (A Detailed Guide) – Loaded Samples

そこでBOSSのチープなドラムマシン、DR-660が紹介されていた。

The importance of the DR-660 in Memphis Rap cannot be understated. Without this machine there would be no “Phonk” genre. The style of using pitched 808 cowbells was a direct result of unique design limitations on this budget rhythm machine. Original TR-808 machines did not enable you sequence 808 cowbells or kicks at various pitches in a drum pattern, this functionality was exclusive to the DR series drum machines. It’s hard to imagine that Memphis Rap would sound the way it did without the use of the DR-660.

Phonkのあのカウベルがうまれたのはこのドラムマシンのおかげだ、と。

なるほど……

調べると、Legoweltがこのドラムマシンを激推ししていたりSquarepusherの初期機材として名高かったり(まあ単に手に入るくらい安いドラムマシンだったという話なのだが)、チープな割にエピソードに事欠かない名機らしい。

そこでメルカリでDR-660を購入したのだが、明記されていた液晶の不具合に加えて、メインアウトからの音量が著しく低い。スピーカーがわりのミニギターアンプにつないでも、最大音量にしてやっと音が聞こえてくる程度。メンテナンス用のサウンドチェックモードを試してみたところ、4つあるアウト(L/R/インディビジュアルアウト1/同2)の打ち、インディビジュアルアウト1をのぞく3つがほぼだめになっている。

ちなみに、サウンドチェックモードに入るための手順は以下(サービスマニュアルより)

[SONG]ボタンと数字ボタン[7]を同時に推しながら電源を入れる。LCDディスプレイにROMのバージョンと日付が表示される。

対応する数字キーを押すと、各チェックモードに入れる。詳細は省くが、音声出力のチェックは[7]。

パッド番号1~4を押すと、それぞれL/R/インディビジュアルアウト1/インディビジュアルアウト2から異なるタムの音が出力される。

パッド番号13~15を押すと、それぞれL7/センター/R7のパンニングで正弦波が出力される。

ブロックダイアグラムや回路図とあわせて基盤を眺めてみて、こうした症状が出そうな部分といったら、シールドを差すジャック、ボリュームノブ、オペアンプ、コンデンサ、あとはどこかのハンダ割れくらいなものだ。抵抗がどうにかなるとか思えないし。

テスターでジャックが劣化していないかチェックしてみたものの、すべてのジャックが問題なし。ボリュームノブも、ボリュームが効かないインディビジュアルアウト2も同じ症状が出ている時点で考えづらい。ハンダ割れも目視できる範囲には存在しないし、念の為はんだが関係ありそうな部分にはんだをもり直したのだが、改善せず。オペアンプか??? と、正常に動作しているインディビジュアルアウト1のオペアンプをLに移植してみたところ、症状は全く変わらず。つまりオペアンプも原因ではない。

じゃあ、もうコンデンサか……? と、回路図で見る限り音量に影響を与えてそうな部分のコンデンサを取り外し、たまたま手持ちにあった同じ数値のコンデンサに置き換えてみた。

DR-660のジャック基盤。交換したコンデンサを赤いまる印で囲んでいる。

このあたりですね。オペアンプの1段目を挟んでる多分フィルター回路のコンデンサ。10μF/16Vでした。4つも交換しなくてもよかったけど、C109を交換したついでにC107も交換したらなんか音がよりでかくなった気がした(気のせいかもしれない)。なのでC117とC118も交換。

理屈はわかんないけど、これで無事にデカい音が出せるように……! それでうれしくなった様子がこれだ。

めでたしめでたし。

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沈黙を語る人 – 想い出アンチエイリアス(お仕事報告)

ハードコア・テクノからハウス、ヒップホップまで横断的に活動を続けるナヲトスズキの沈黙を語る人名義でのシングル「想い出アンチエイリアス」が4月17日(水)リリースされます。ご依頼を受け、プレスリリースを担当しました。リリース情報は以下のとおり。

アーティスト名:沈黙を語る人
タイトル:想い出アンチエイリアス

リリース日:2024年4月17日(水)
レーベル:Extal
各種ストリーミングサービス
及びBandcampにて配信・販売予定
URL:
https://linkco.re/GG1UTm34
https://extal.bandcamp.com/album/-

作品解説は以下のとおり。

 ハードコア・テクノからヒップホップまで横断的に活動を続けるナヲトスズキが、沈黙を語る人名義でのシングル「想い出アンチエイリアス」をリリースする。ローファイで、アンビエント的なサウンドスケープを湛えたハウス・トラックにのせ、自身のヴォーカルを通じてセンチメンタルな感情と情景をリリカルに表現。ナヲトスズキのディスコグラフィのなかでも異色のパーソナルでエモーショナルな1曲だ。

 ほろ苦い実体験を下敷きにしつつ、画像処理の専門用語が散りばめられたポエジーあふれるリリックが印象的な「想い出アンチエイリアス」。トラックは、京都で活動するプロデューサー/ヴォーカリストのEulalieによる楽曲、「Taranai」(「Craving for Dreams」2021年収録)を4つ打ちに大胆に再構築したものだ。かねてからこの曲を愛聴していたナヲトが、直接サンプリングの許諾をオファーしたという。ミックス・マスタリングは、かねてから交流の深いHONDALADYのマルが担当した。

 90年代以来の長いキャリアの中でさまざまなスタイルを試みてきたナヲトだが、センチメンタルな感情をてらいなく表現したという点では異色であり、ある意味では新機軸と言えそうだ。

ぜひチェックしてみてください。

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日曜日のプレイリスト 009 2024-04-14

和田彩花さんらが結成したオルタナバンドLOLOET、ダビーなエフェクトをふんだんにかけながらオルタナっつーかプログレッシヴに疾走するライヴがめちゃくちゃいい(ほかにも同じチャンネルに数曲あがってます)。テープ買いました。 limited 1st Cassette”une petite pensée” | LOLOET 

浦上想起バンドソサエティめちゃくちゃいいぞ……。

Cindy Lee『Golden Jubilee』、すごく評価高いけどサブスクにないしまだリリースされてない? とか思ってたら、YouTubeでのフルストリーミングとジオシティーズ(ジオシティーズ!?)のサイト経由での音源配布・ドネーションのみで視聴可能。Bandcampすらない。なによりびっくりするのはジオシティーズのサイトで、90年代からタイムスリップしたみたいなHTML手打ちの美学にあふれている。幽玄でフォーキーなドリーム・ポップとでもいおうか(hypnagogic popとか言われててなつかしくなったぞ)、内容ももちろんよい。

でここまで書いて思いましたが、このプレイリストは第2・4日曜更新なので、第1・第3日曜でこういうYouTubeでなんか見た~みたいな記事更新するのもいいかもしれませんね。

さて、プレイリストはこちら。

なんかKポ、しかもガールズグループ多めになっちゃった。コメントは続きから。

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日曜日のプレイリスト #008 2024/03/24

毎度おなじみプレイリスト更新の日です。その前にせっかくなんで最近見て面白かった動画の話とかもしてみましょう。

ちょっと前にイギリスのクイズ番組でのやり取りがTwitterでバズっていた。「1990年代初頭にレイヴ・シーンとレゲエのサウンド・システムから生まれて発展したダンス・ミュージックで、代表的なアーティストとしてA Guy Called GeraldやGoldieがいるジャンルの名前は?」という問題に回答者は「ドラムンベース?」と答えたのだが、不正解。そこで司会者が放った「残念、ドラムンベースは不正解。ジャングルとお答えいただきたかった I can’t accept drum & bass. We need jungle, I’m afraid」が声ネタにぴったりすぎるということで、これを使ったジャングルがわんさか作られだした。そんなバズをきっかけに、ドラムンベースとジャングルの違いってなによ? というのを解説する動画をResident Advisorが公開。ジャングル入門編として、その文化的背景やサウンド、使われるテクニックなんかが紹介されていて、おもしろいです。

さてプレイリスト。

各曲コメント

駒形友梨 – 2 world

声優・アーティストの駒形友梨のニューアルバム『25℃』よりミニマルかつキュートなラヴソング。シンプルなリズムマシーンのビートにスキマをいかしたファンキーなシーケンスが絡みつつ、ヴォーカルも少しゆるめに脱力気味のニュアンスめちゃ良い!

NiziU – SWEET NONFICTION

NiziUの新曲は前作「Heartris」の鮮やかさがどうしても印象に残っているのでなんとなく地味な印象になってしまったのだけれど、A~Bメロの細かく動くリリースカットピアノやベースライン、ベッドスクィーク的なSEなど小技が聴いていて実は結構「Heartris」の延長線上っぽい感じも。良いです。もうちょっと突き抜けたらQWERみたいにもなりそうだけど。

ena mori – Heartache Generation

インドネシアのSSW、ena moriの新曲。最近だとTomgggとのコラボも良かったですね。ベッドルーム的かと思いきや割りと鳴りは堂々としたポップで、めちゃでかいステージが映えそうなスタイルなんですが、新曲もまさにそんな感じ。サウンドのメリハリもヴォーカルの幅も広く、「格」を感じる……!

吉澤嘉代子 – オートバイ

吉澤嘉代子のニューEP「六花」から小西遼プロデュースの1曲。ヴォーカルのニュアンスの幅で言うといま吉澤嘉代子って相当なものがあると思っていて、シネマティックというか、劇的な展開がめちゃくちゃ似合う。この曲も、ストリングスの華麗さとビートの荒々しさの対比が楽曲の展開からパフォーマンスまで同期していて、ちょっとしたスペクタクルになっている。もっと広々とした空間を感じたい気もするけれど……。

太田ひな – Still Love

東京を拠点とするSSW、太田ひなのシングル。某夜夏さんが紹介しているのを見て聴いたらとてもよかった。ゆったりとしたピアノとヴォーカルのフレージングに対するせわしないビート。こういう構成の曲の醍醐味は、グルーヴがいくつものレイヤーにわかれて重なり合うことで生まれる浮遊感だと思うけれど、それと歌声や発声がめちゃくちゃフィットしている。

鞘師里保 – alchemy

鞘師里保の新曲、提供しているのは碧海祐人! ということで聴いてみると、このアーティストらしいフォーキーな叙情がかくれたネオソウルで、鞘師里保のヴォーカルも力が入りすぎないクールさと感情表現のアツさのバランスが良い。全体のグルーヴはスウィングしつつ、ドラムのビート(特にハイハット)はスクウェアなことで生じる半透明のタイム感が心地よい! ドラマのエンディングテーマなんすね。

YOUNG POSSE – Skyline

YOUNG POSSEの新譜、1曲めでRageをやっていたり(なぜ今?)、かと思えばブーンバップ多めだったり、アフロビーツも取り入れていたり、方向性が固まってるのかそうでないのか微妙ながらクオリティはやはり高い。ラストの「Skyline」は、高域がぱきっときらっとしたドリーミーな曲なのにビートががっつりジャージークラブ。ジャージークラブさすがに食傷気味じゃね? と言いつつなんだかんだどれも一捻りがあって聞いてしまうよねぇ。

Anysia Kym – Amplitude

ブルックリンのプロデューサー/ドラマー/ソングライター、Anysia Kymのニューアルバム『Truest』から。ローファイでチルめでクールなR&B、ちょっとドラムンとかダンスビートも入って……というとなんかトレンドっぽいが、ざらっとした手触りやコラージュっぽい感覚はむしろオルタナティヴなブーンバップ勢を聴いている感じと近い(MIKEが参加してたりもする)。アルバムのラストを飾る「Amplitude」はアンビエント寄りの浮遊感あるドラムンにささやくようなヴォーカルが乗っていたと思ったら、カットアップで終わる。不思議で心地よくてぞわぞわする!

Iglooghost – Coral Mimic

Iglooghostが5月リリース予定のアルバム『Tidal Memory Exo』からの先行シングル。モトリックなエイトビートを中心としたポストパンク的な楽曲ながら、ひとつひとつのサウンドはIglooghostらしい凝ったデザインになっていて、リヴァイヴァルというよりもミューテーションって感じ(アルバムに寄せているコメントに倣うならば……)が面白い。

Adame DJ – Acid Baile 2

ブラジルはカショエイロ・デ・イタペミリンのDJ/プロデューサー、Adame DJのマジで名は体を表すトラック。2があるということは1もあるのである。ビキビキのアシッドシンセとバイレファンキのビートが組み合わさった、あまりにもタイトルそのままといえばそのままながら、そのまんまだからこそめちゃくちゃぶち上がるタイプの間違いないバンガーである。

aya – Leftenant Keith

ロンドンのプロデューサー、ayaのソロとしてはim hole以来3年ぶり?となるEP「Lip Flip」より、そのネタ使いありかよ! となるやつ。日本人としてはDJ PaypalのSlim Trak的なキワモノ感を覚えてしまうが、原曲のイメージにとらわれることなくヴォーカルのリズムをエディットしてフリーキーなリズムへと生まれ変わらせる巧みさには脱帽する。im holeで大きな役割を果たしていた自身の声はほぼ聴かれないが、そのぶんEcko Buzzの参加やこの大ネタの存在感が興味深い。ちなみにEPの売上はayaの整形手術(性別移行に関連する顔の女性化手術)にあてられるそう。

Dj Anderson do Paraiso, MC PR – DUVIDA NÃO LETICIA

Nyege Nyege Tapesがふたたびブラジルのファンキシーンからのアルバムをリリース。ベロ・オリゾンテのファンキシーンで活躍するDj Anderson do Paraisoの作風はリオデジャネイロのアグレッシヴさともサンパウロの過激さとも違うミニマルでダークなもの。暗闇のなかでフラッシュを焚かれるアーティストの姿をフィーチャーしたアートワークはまさにそんなイメージにぴったり。DJ K(こちらはサンパウロ)のエクストリームさと対比しつつ聴いてもよさげ。

Toupaz – Hiccup

オーストリアはグラーツのプロデューサー/DJ、ToupazのニューEPより表題曲。「しゃっくり」って曲名のとおりしゃっくりみたいに引きつった声らしきサンプル(もしかしたらそう聞こえるだけで電子音かも?)が出てきて、なんや往年のDon’t Laughとかそういうのを思い出してしまうが、パーカッシヴなシーケンスの妙と要所要所で登場するシンセのテクスチャが面白くリスニング視点でも引き込まれる。やっぱりこういうベースミュージックはテクスチャが面白いかどうかで聴いてしまうところがあるなぁ。

Scratcha DVA, Natalie Maddix, Scotti Dee, Mad One – Wishlist

ロンドンでグライムやベースミュージックと南アフリカのサウンドを意欲的にフュージョンし続けるプロデューサー、Scratcha DVAのEPがリリース。LightDarkの対比的な二作が同時に出てるんだけど、Lightのほうから1曲。ヴォーカルは結構メロディアスなんだけれどベースラインがちょっと癖のある、中東っぽいスケールで進んでいてものすごく繊細な色合いになっている。etherealなような、大地っぽいような、トランシーさが絶妙! 全体的にLightのほうがいまの気分だけれど、Darkの「Drillers」とかもかっこいいっす。

Tyla – Safer

「Water」が世界的なヒットソングとなった南アフリカのTylaによる待望のファーストアルバム。曲尺はどれもタイトでポップソング然としているものの、この「Safer」のようにカタルシスへ安易に向かわずじりじりと緊張感をたたえながら感情を鷲掴みにするスタイルはとてもクール。かっこいい。「On and On」や、特にラストの「To Last」あたりでAmapiano的な美学をばしっと聴かせているのもぐっとくる。2024年、というか2020年代を代表する1枚として記憶されるべきではなかろうか。

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[書評]川上幸之介『パンクの系譜学』(書肆侃侃房、2024年)

※この記事にはアフィリエイトリンクが含まれます。

川上幸之介『パンクの系譜学』(書肆侃侃房、2024年)(Amazonアフィリンク)

倉敷芸術科学大学の准教授で「Punk! The Revolution of Everyday Life」展やゲリラ・ガールズ「Reinventing the “F” word: feminism!」展などをキュレーションしてきた川上幸之介の初の単著。書名が示す通り、「パンク」というカルチャーの系譜を音楽ジャンルにとどまらないさまざまな角度から辿っていく本になっている。

読みどころはさまざまあるけれども、個人的に興味深かったのは第3部の「パンクのアートにおける系譜」。ダダ、レトリスム、シチュアシオニスト、キング・モブの活動を取り上げ、パンクを20世紀ヨーロッパを中心とするアヴァンギャルドの系譜に明確に位置づけている。たとえばマルコム・マクラーレンがシチュアシオニストの影響を受けていて……みたいな話はよく耳にするけれど、単にトリヴィアルなエピソードにとどめず、芸術と交わる政治的前衛としての性格を歴史的に辿りながら描き出していくのがとてもおもしろい。

そもそも、レトリスムやシチュアシオニスト(およびその分派や同時代の政治的前衛)の活動をその歴史的経緯を追いつつ日本語で読める文献はさほど多くないんではなかろうか。特にレトリスム。アヴァンギャルドというとダダにはじまりシュルレアリスムがありシチュアシオニストがあり……みたいな感じで、レトリスムはシチュアシオニストとの関わりからその前史として言及されるくらいの印象がある。さらにキング・モブを始めとした前衛たちの活動について、その独自のコンテクストも含めながら論じている本って恥ずかしながら他に知らず、とても勉強になったし、面白かった。

第4部の「セックス・ピストルズ以降」では、さまざまなパンクの潮流がその思想的背景を丹念にあとづけつつ紹介されている。DIYカルチャーとしてのパンクがときに直接行動によって、ときにトリックスター的な撹乱によってシーンを広げていくさまが描かれていてこちらも面白い。

また、第5部では「アジアのパンクシーン」が取り上げられ、特にインドネシア、ミャンマー、日本のパンクシーンにそれぞれ一章ずつ割かれている。最終章の第21章「日本のパンクシーン」でフィーチャーされるのは、橋の下世界音楽祭。ライヴハウスやレコードショップ、あるいは音楽メディアを舞台に繰り広げられるような「パンクシーン」ではなく、政治・思想・音楽・アートが交差する場としての「パンク」を体現する音楽祭を取り上げるところに本書のユニークさがある。

非常に勉強になる……一方で、文章は若干読みづらく、アカデミックな専門書みたいな味気なさというわけでもなければ、一般書のこなれた文章という感じでもなく、少しつまづいてしまう。英語文献からの引用もあまりうまく訳せていないのではないか、という気がする。特に音楽関連の記述については、誤訳では……? と思う部分もある(日本語でいまいち意味がとれず、原文を探して読んでみたりした)1。誤字・脱字もそこそこあり、こればかりは出版物にはつきものなのだけれど、編集がもうちょっとリーダビリティを気にした介入をしてもよかったのでは……という気がする。

  1. 本題とずれるので注においておくが、p.84で引用されているデイヴ・レインによるブリティッシュ・インヴェイジョンのサウンドの特徴に関する記述は、まったくわからないというわけではないけれども、やけに遠回しに感じられる。「しばしば1小節に1回」という挿入句が、原文からみれば、また音楽的に考えれば分解されたギターストロークにかかるべきところ、本書の訳だとベースとドラムにかかっているようにも読めてしまう。「拍子」とするべきtime-signaturesが「時間的特徴」となっているのも、音楽に関する文章としてはちょっとどうかと思う。
    また、これは単純に事実誤認だけど、「ビーフハートの1969年のファーストアルバム」として言及されているTrout Mask Replicaはサード・アルバムで、ファーストは1967年のSafe as Milkだろう。もしかしたら最初の二枚はカウントせずにTrout~をファーストとする慣習があるのかもしれない。あんまり詳しくないので……。その前後、Pere Ubuのカタカナ転写がペール・ユビュとフランス語風になっているのも違和感がある……(英語風に「ペル・ウブ」というのが日本でよく流通している表記だし、メディア出演の際の映像を見てもそれで妥当だと思う)。さらに流れでアルフレッド・ジャリの『ユビュ王』が「ユビュ・ロイ」と表記されているのもちょっと変だなと思う。他にも気になった部分なくもないけれど、自分がわかる範囲で違和感があった+調べる余力があったのはこのあたりだった。ああ、すげー細かいところだとブリロ・ボックスがブリオになってた(p.13)けど、これは単純にタイプミスだと思われる……。 ↩︎
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