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健康と能率(26)

めっちゃくちゃ緊張する仕事があって、直前まで情緒不安定パーソンになっていたのだが、はじまってみるとまあ腹はくくれて、なんとか乗り切れた。自分も含めてその場の空気としてはわりと満足感のある出来で、告知するのはかなり先になるのだが、楽しみにしてほしい。

近所のゲオやブックオフがかつての記憶を失って家電屋みたいになっていることはなんどか書いた気がするけど、やっぱり切ない。そのゲオはもともとヴィレヴァン(名前自体はBunBun堂だったのだが、中身は実質ヴィレヴァン)で、洋楽のCDとかマニアックなムックや漫画を買えたところだったのが、高校生くらいのときに? ゲオになってしまった。なってしまった、とはいえ、レンタルショップがあるのは悪くはない。これまでもお世話になってきていたし。それがレンタルショップすらもなくなってしまったらどうなるのだろう。東根のTSUTAYAやゲオまで行くのか? そもそもCDショップだってほとんどないのだ。

年末、なんだかんだいって一年振り返り、ベストみたいなことをやる機会はどっかであるんで、ちまちま振り返りをしているのだが、Hiatus KaiyoteやTyler, the Creatorって今年だったっけ……なんて、もう夏あたりの話題作が2,3年前みたいに感じられる。Vampire Weekendの「2021」をSam Gendelがリワークしたやつも2021年の頭リリースだから今年なんだよ! 恐ろしい。恐ろしすぎる(Sam Gendelめちゃくちゃ働きまくっているが、なんだかんだで「2021」のリワークが最強な気がする。参加作品でいえば『Notes with Attachments』とか……。ベタだけど)。

急逝したヴァージル・アブロー。たとい自分のようにファッションにあまり関心がなくとも音楽やファインアートのような領域にもその名前はひびいている存在ではあり、あれほど若くして亡くなったことに衝撃を受けた。くわえて、2年も闘病を続けていたというのが……。マジで?

8 quotes of Virgil Abloh taught us – i-D (vice.com)

追悼がつづくなかでi-Dがまとめたヴァージル・アブローのクオートを見かけた。↑のひとつめのやつなんだけど、その勢いがおもしろくてつぼにはまった。

やりたいって言ってることを本当にやる意欲があるんだったら、もうこの話は切り上げて実行に移せ。きょうのうちにTシャツを刷れ。「きょう」っていうのはこれから30分以内ってこと。もしやらないんだったら、やらないってこと自体があなたの問題だ。

If you really want to do what you say you do, leave this conversation and do it. Go and print that T-shirt today, and by today I mean in the next 30 minutes. If you don’t do it, that’s your problem

8 quotes of Virgil Abloh taught us – i-D (vice.com)

「きょう」っていうのはこれから30分以内ってこと(by today I mean in the next 30 minutes)の圧がすごい。ほかにも、disruptor(破壊者)になることに意味があるわけじゃなくて、自分の周囲や出身のコミュニティに対する指針になりたいんだ、というのは、これはある種のヒップホップ的な精神という気もする。ファッションに限らず、ロールモデルになることにこれほど意識的であるということ自体がきわめて現代的だよな(おそらく、そう考えてきた人びとはこれまでにもたくさんいたろうが)。

100 gecsの新曲、最高やった。Laura Lesのボイチェンとっぱらったボーカルにグッと……。盛り上げといてハーフでとります、みたいなことがない潔さっていいよなぁと最近思うようになりました。

通してちゃんと聴いてなかったな……っていうのの筆頭で、Erika de Casier『Sensational』、素晴らしい。Aaliyah的なヴォーカリゼーションとUKガラージやアフロビーツのビートが絶妙にクロスする瞬間がたっぷりですばらし。

「批評家」って名乗るのもうやめようと思う。ひょんなことから2年ほど使ってきた肩書でしたが2022年からはライターとなることでしょう。

前回TohjiやCANTEENが動き出してることに対する違和感を書いたのだが、思った以上にCANTEENがんがん動いてて、うーん、となる。繰り返すが、他の被害当事者を黙殺せずに向き合うべきだろうし、それは果たされる見込みがあるのだろうか。形式上はこれ以上求めうるものはないのかもしれない、とはいえ。CANTEENといえばtomadなんかは古い付き合いでもあり、ずっとひっかかっている。

カテゴリー: Japanese